無職が始める異世界争乱記

第1話 交差する想い

　君の存在が俺を人たらしめている。弱体化したなんて言う奴もいるけど、俺はそうは思わない。

　今の俺があるのは君のおかげだって心からそう思える。だから、迎えに行くよ。

　例え、君が君でなくなっていても、どんなに遠くても、どんなに困難でも。

　俺は、君との約束を守るために存在しているんだから。

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　優しい君、心を無くした君、星霊に至った君。そして、旅立った君。ーー大好きな君へ。

　この欠けてしまった世界はいずれ終焉を迎える。

　それで良いとも思うんだ。ここまで義務感だけで頑張ってきたけれど、もう限界だよ。

　どうせ滅ぶならそれは今が良い。君のことを覚えいる内に消滅できるなら、私は幸せだったんだって自分を欺けるから……。

　最後に一つだけ我儘が許されるなら、もう一度だけ抱きしめてほしいな。