魔術書よりずっと(300字SS)

 新婦は父親の腕に掴まりバージンロードを歩き出す。父親から新郎へ。受け渡されたその瞬間に、蕾は膨らみたちまち花が咲きこぼれる。

 ステンドグラスの光を浴びて、新郎新婦を彩るように天の言祝ぎを表す如く、どこまでも白い花が咲く。


 *


「生花ではとても無理ね」

 花の香を染み付けた君は、泣いているように見えたから。

「魔術書、一〇〇メガを超えてるんです」

 キョトンとした目が僕を見て。僕は思わず明後日を見た。

「花が咲くのは電書魔術よりずっとすごい奇跡なんです奇跡があるから僕らはそれをマネできるんですだから」

 多分、僕は慌てていたのだ。

「生花はあなたくらいもっとずっとステキで好きです」

「え」

 そして君も、慌てたんだ。

「あの、

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