333錠.おくのおく


あの寒い冬の日に

君の姿を見つけて

早足で息切らせ

追い付いて手をのばした

振り向いて

少し驚いて

微笑む君の顔みて

もう少し、頑張ろう

そう思えた

親からの『頑張れ』も

友達の『頑張ろう』も

届かない入れない心の奥の奥

いつも通りに笑って

大丈夫なんて言って

なんでかな、笑顔が眩しい


あの晴れた春の日に

君の姿がなくて

君の声  君の顔

君の仕草 君の温もり

薄れてく

消えていく

声出さずに泣き出したんだ

もう少し、頑張れ

そう言ってほしい

親からの『頑張れ』も

友達の『頑張ろう』も

届かない入れない心の奥の奥

大丈夫なんて言って

背中を押してくれたのに

なんでかな、よく思い出せない


同じ空の下のどこかに

君はいるんだとしても

遠すぎて


遠すぎて


誰も誰の言葉も

届かない入れない心の奥の奥


君だけが


こじ開けた

踏み込んだんだ

心の奥の奥







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