216錠.赤い金魚

黒い金魚が 空を泳いでいるの

ゆらっ ららっ ゆららら

ヒレをふるわせてね

こぽっ ぽぽっ こぽぽぽ

泡を吹いてるわ


たったひとり

ともだちいないのかな?


嘘じゃないわよ

ほら、あそこに


手をのばした 指が冷たい何かに触れた


ど、───────────────ぷん


ぐるり

天地がひっくり返る

ふわり

金魚が目の前を泳ぐ

あれれ

赤い金魚になってる

わたし

赤い金魚になってる


黒い金魚が導くように

泳いでいく

右になって 左になって

上になって 下になって


泳ぐ


空へ

どこまでも

空へ


青に、染まれ








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