この逆転劇に、異議は無し!

 死よりも苦痛を。
 その美しさとは裏腹に血塗られた剣の名を冠するのか。
 或いは、正義とは暴力でもある。
 力無き正義に誰を守ることが出来るか。
 心無き正義に誰を救うことが出来るか。

 つまりは、力と心の合体、そして勝利。
 これこそが、この作品による正義の方程式か。

 裁判とロボットバトル、異色で斬新な設定。
 アニメを見ているようなストーリー展開にもカタルシスを得られるでしょう。
 過去シーンをエピソード冒頭に持ってくる構成もなかなか。
 物語に過去を加えることで話に深みを持たせることは出来ます。場合によっては回想が流れを阻害したりしますが、これを上手く回避していると思います。

 気になるのは、裁判という設定が、ロボットを戦わせる為だけの舞台装置になっていないかな、という点。
 もっと、利害の単純構造だけでなく、人の主張や権利の絡み合い、人間劇の果てにロボットバトルがあれば……と、これは私個人の好みの問題なのかもしれません。
 このへんの匙加減は難しいかもしれませんね、面白い題材だけに。文字数も増えてしまうでしょうし。

 また、フォーティンいや、神代ひなた視点の外伝なんかあっても面白そうですね。

 楽しく読ませて頂きました。波打つ刀身、炎が如き揺らめき。この世の悪を、燃やし尽くせ!――フランベルジュ――ありがとうございます!

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