語りを繰り返すたび、新たな闇を呼び寄せる。次に迷い込むのは?

 親から子、子から孫へ語り継がれる独特な口調。
 朝廷の方角から見て鬼門、東北は丑寅の方角に住まう者。かつて夷族、夷敵と呼ばれた者の末裔たちは何を語らい合い、無聊を慰めるのか。

 その妙に馴染む訛りで綴られた文は、座敷の畳のひんやりした感じ。梁がときたまきしむかすかな音。
 そこに潜む『なにか』を感じさせます。

 こりは、もっしぇごど。はやぐつづぎ読ませでくなんせ。

その他のおすすめレビュー

星村哲生さんの他のおすすめレビュー479