勇者は異世界において、海戦を成せばいい

磐貭徹三

PROLOGUE 日常の終焉

「やっぱり原子力機関にするべきなんだよ、初瀬!戦艦大和を引き上げたら!そしたら勿論煙突にはミサイル発射管を…」

「はいはい、良くわかりました良くわかりました。凄い凄い」

「……なぁ、最近そのあしらい方が板についてきてないか?いっつも話を聞き流されて俺のガラスハートが割れそうなんだけど」

「どの口がガラスハートなんて自称するのかしら?こちらも毎日下校時にこんな妄想に聞かされてうんざりだっていう意見を言うついでに、罵倒も一緒にしてるのに懲りない図太い神経を持つのはどこの千歳かしら?」

「そこ普通『誰』だよね⁉千歳って、俺だと特定してるじゃん!!意味ないじゃん!!」

「じゃんじゃんうるさいわねぇ…」

俺こと鬼怒川千歳は、幼なじみの大淀初瀬といつも通りの掛け合いをしつつ通学路を歩いていた。

「それにしても今日は寒すぎじゃん…」

「凄いわね、このマイペースっぷり。まるで人の話を聞いてないかのような感じね」

「…呼吸と同時に俺を罵倒してるのは気のせい……?」

「まぁ、この11月下旬の寒い気候については千歳に同意するわ。もうちょっと厚着すれば良かったわ」

「ねぇ、それブーメランだって気付いてる?つかブレザーの上から更にコートやマフラー、耳当てまで着けておいてそれ以上厚着するとこある?」

「タイツを穿くっていうのが残されてるわよ。後、幼なじみだから私は許しているけど、こういう質問はもう少し遠慮しなさい。ほんとデリカシーない、いやなさすぎるわよねぇ…昔から」

そんなにデリカシーのない質問だっただろうか?言い過ぎな気もする。

それにそもそもこの初瀬がタイツを穿いたところで色気が増す訳でもないのに…

「聞こえてるわよ。」

おっと、そんなテンプレなことをしてしまったか…


と、その時だった

「えぇー雨が降るとか聞いてないないわ。なんなのよいきなり集まりだすこの雨雲は!走るわよ!雨に濡れたくないし!」

「わかった!」


そう、異常な天候だった。

いきなり俺らがいる辺りに雲が発生し始めた。それだけならまだ良い。


「えっ、なにこの雷雲。最近の雷雲ってストーカーの性癖とかがあったりすんの⁉」

「なわけないわよ!!」


明らかにかのような雲の動き方だった。

現在進行形で俺らは何度も通学路の角を走りながら曲がり、偶然ではあるが雨雲から遠ざかるようなコースを通っている。







雲が遠ざかる様子は見られない。

それどころか

「ねぇ!絶対さっきより雷雲が近づいてるよ‼ヤバいヤバい!!!!」

「うるさいわね!黙って走っときなさい‼」


その間にも、刻一刻と雨雲は距離を詰めてきている。








そんなこんなで俺らが10分位全力疾走を続けた頃だった。

家が見えてきたこともあり、少し安心した初瀬が自身の体力の限界もあってペースを落としてしまった。


「おい!スピードを落とすなよ‼」

「もう限界よ!」

「つかあの雷雲見ろよ!俺らの通学路正確になぞってやがるぞ!絶対あれストーカーだな‼」


こんな雑談掛け合いをする為に習慣本能的にで俺も初瀬に合わせてしまったのが悪かったのかもしれない。


雨雲が鳴り始めたと思った次の瞬間、

途中で二股になった雷の片割れが俺たちに襲いかかった。



「がはっ…ぁっ!」



それを言ったどうかも認識しないまま、

俺は意識を綺麗に刈り取られた。








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お初にお目にかかります。磐貭徹三と申します。


今回、こうして私の処女作である「勇者なのに旧帝国海軍を再現して異世界無双」を発表させて戴かせました。


まだまだ未熟な所がございますが、温かく見守ってくださったら私としましてもとてもありがたいです。

また、皆様の感想を元に私の作文能力を向上させていきたい所存でございますので、感想はどしどし書いてください!


また、私は未だ学生の身分ですので、どうしても不定期な更新となってしまいます。次の更新がいつになるかははっきりとしませんが、私の作品を読んで下さる皆様におかれましては、是非とも長期的な目でご覧くださいm(__)m。


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