フェーズ:006『お父さんは心配症』

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Title:『お父さんは心配症』


今日は娘の授業参観だ。

俺は他の保護者に混ざって教室の後ろに立ち、

緊張した面持ちの娘に目配せを送った。


大丈夫、いつも通りやればいいんだ。


そんな気持ちを込めて頷きかけるが、

娘は首を僅かに左右に振って目をそらした。


まったく、ガチガチじゃないか……。

それに、保護者ばっかり気にして何をやってんだ。

今は授業中だろ? 後ろを見ていないで、

ちゃんと授業に集中せんか……。


ほらほら、父さんのことは気にするな!


家にいる時とは別人のように

ボソボソと話す娘に厳しい眼差しを向ける。

瞬間――教室を揺るがすほどの大声が轟いた。


「無関係の方は出て行って頂けませんか?」


おっと、今日はここまでのようだな。

でも、ようやくらしくなってきたじゃねぇか。

よし、明日も様子を見に来てやるか。


みんな! 先生の授業をちゃーんと受けるんだぞ!


子供達に笑いかけて、教室の扉をガラリと開く。

すると、いかめしい表情をした教師や用務員が俺を取り囲んだ。


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