互いに信頼し合い、協力することの難しさと楽しさと

鞄を取り違えたことがきっかけで知り合った相手は、憧れのオンライン作家だった――小説を書く人/読む人なら誰でも一度は憧れるシチュエーションで始まる恋愛小説。

ヒロインに押し切られる形で、疑似恋愛を元にしたコラボ小説を一緒に作ることになりますが、最初、主人公はそれほど乗り気ではありません。
それでもヒロインと(疑似)デートを重ね、周囲の人々とも関わり合いながら小説を書き進めるうちに、やがて執筆の楽しさに目覚め、ヒロインに惹かれていく姿がコメディタッチで描かれています。

作品を読みながら、恋人同士が愛を育むのと、複数人で協力しながら何かを作り上げるのは本質的に同じなんだなーと、改めて気づかされました。

――と、ちょっと固めのレビューになってしまいましたが、とても楽しく読みやすいラブコメですので、もどかしい二人の関係とコラボ小説がどのような結末を迎えるのか、ぜひ手に取って確認してみてください。

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