青空に届かせる

ざっきー

プロローグ

青く蒼い空。

太陽の陽射しで無意識に目を細める。

早朝の僕のパトスは乾いた心臓の鼓動に消されかけていた。

辟易へきえきでもない。緊張でもない。

僕の耳には風の音さえ入ってこない。集中しているのだ。

タイミング、その瞬間は突如に理不尽に訪れる。

僕の一打は緑の道と空に彩られる美しい世界へ飛んで行く。

一体何分何秒呼吸をしていなかっただろう。唾がゴクリと音を立て、流れる。安心感だろうか、それとも爽快感だろうか。そんな疑問は関係ない。

(ゴルフは辞められない)

ただそれだけだ。どのスポーツも自分がスーパービジョンだがこのスポーツには自ら審判をするレフェリーが加わる。そのくらい正直で奥深いスポーツなのだ。

余計な事を考えてしまった。しかし、悪い気はしない。

少し頬が緩む。

長い一日の始まりである。

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