満月デート

私は満月が嫌い。


私は満月を見上げると猫女になる。

猫耳と尻尾が生え、八重歯も少し伸びる。


この前、満月であることを忘れて夜のデートに行ってしまった。

彼には絶対秘密と思っていたのに、帽子でも隠しきれないほどに猫耳が立ってしまい、スカートの裾からは尻尾が覗いている。

とうとうこの姿がバレてしまった。

きっと彼はびっくりして怖がるだろう。


でも彼は、逆にこっちの方がいいと大喜びだった。

私の方が面を食らってしまう。

確かにこんな私を嫌わないでいてくれたことは嬉しい。

でも私はいつもの私の方を好きでいて欲しいのに、なんだか負けた感じで悔しい。


だから満月は嫌い。


それでも満月の夜に会うのは、狼男になった彼が格好良いから。

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