儚い玻璃の切先はまるで彼女の心の様

 紡がれた伏線も鮮やかに、短い中でくるくると物語が動いて引き込まれていった。幾重にも重ねられた意味に気付く頃には、彼女の希求に読み手である私たちに深く突き刺されているだろう。
 彼女たちの行く末にハラハラとしながらも、『騎士』という存在にどれだけの思いと、憧れが其処にあるのかをしっかりと描き切れたからこそ、既存の物語にとらわれない彼女の為の想区が作り上げられていると思う。