水素水で始める異世界無双

つじは

買ってみた

 あたし、ミウナ。体重とかが気になるお年頃のJK。なんかお肌がキレイになるとかダイエット効果があるって聞いて、水素水ポチッてみた。これでたった9800円とか安すぎだろ。

 ツ○ッターで話題だったから、まあ多分本当なんだと思う。飲むだけとかマジすごいわ。神か。

「宅配でーす」

「キターーーー!!」

 叫んでしまった。まってろ美貌。メイクもいいけどまず中身からってね。

 なぜかニヤニヤしてた宅急便のお兄さんから500㍉㍑×20本ほどのケース受け取ったら、なんか目の前が真っ白になった。で気づいたら知らないとこにいて、今に至る。

 マジすごいわ水素水。飲んでないのにどっかに転生したよ。いや、この場合は死んでないから召喚か?

「見慣れない顔だな」

 どこ行っていいのかわからないからうろうろしてたら、なんか態度でかいおっさんに話しかけられた。ナンパか?

「見慣れないとかそりゃそうでしょ。ここどこよマジウケる」

「ウケるとはなんだ。そしてその手に抱えている箱はなんだ」

「そっか、ここツ○ッターないんか。じゃー知らなくて当然か。おい、おっさん。なんかここ危険そうだしあたしおっさん匿ってくれるならこの水素水やってもいいぞおっさん」

「なんかよくわからんが偉そうだな……。おい、連れていけ」

 おっさんがクイッて首をやったら後ろからなんかデカい人出てきたマジウケる。んであたしの腕掴んできた。

「はぁ? 何すんだし」

 まあ節約するつもりだったけど、いいか。あたしは手を伸ばして段ボール箱からペットボトル一本を取り出してごくごく飲んだ。

「味は普通だけど、水素水だからめっちゃ美味いわ」

「なに言ってんだこいつ……、早くこっちに……ん?」

「おい、何をしている、早く連れていけ」

「おっさん……じゃなかった、オウス様! こいつ、全然動きません!」

「そんなわけがあるか! 貸せ! ぐぬぬ……、ちょ、マジなんで、ホントに動かないんですけど」

「オウス様、口調がうつっています」

 やっぱりだわ、水素水スゲーわ。飲むだけでなんか力的なのがめっちゃ湧いてくるわ。あと痩せた気がする。

「よっと」

「ぐはぁ」

 いいかげんウザくなってきたから、あたしはおっさんたちをぶん投げた。

「ぐ……、その身体のどこからそんな力が……おい貴様!」

「なんだおっさん」

 痛そう。水素水すごすぎてちょっとやり過ぎたかもしれない。マジすごいわ水素水。


 まあそんで、こんなこと言われたからさすがにあたしもビビったわ。

「勇者に興味はあるか?」


 勇者とか、マジウケる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る