038「妖精さん、ロリドワーフの脱衣シーンを覗く」

戦をやろうと思えば、シルバーは1時間以内に圧倒的な速度で移動して、人間の村を消滅させる事ができる。

ダイナマイトや、巨大客船(廃船)を購入して、落とす。ただそれだけでチェックメイトだ。

だが、プラチナが各集落の代表を集め終わるまで、一週間の猶予があった。

近隣の豚人間は、水着写真や、エロ同人誌、女装させたショタ亜人で誘い出して、大半を殺してしまっただけに、シルバーは、今、とっても暇を感じている。

領主の実務の大半を、税収が増えて雇えるようになった役人や、嫁のプラチナがやってくれるおかげで、勉強以外にやる事がない。

政治に関しては、素人すぎて、まだまだ学ぶ事が多すぎる上に、本では学べない事だらけだ。

それにそもそも――この地域で使われているっ英語っぽい文字が読めないから、勉強もできない。屋敷にある本を読んで学ぶという行為ができない。

ネット通販で、日本語の書籍を購入した方が役に立つ。

そう、判断したシルバーは、本棚から出した古臭い本を、床へと放り投げた。


「頑張っても……!文字が読めないっ……!

誰か、俺に文字を教えてくれっ……!」


『妖精さん!一日中、屋敷に篭っていても効率が悪いですぞ!』

『外に出るのです!村中を回って、視察するのも仕事だ!』

『税金で海外旅行すればいいお、オラの国の政治家は税金で豪遊しているお』


「お前ら……ぶっちゃけ、俺が勉強している様子がつまらんだけだろ?」


『心を読まれた!?』

『恐ろしいショタね!』


「誰か、俺に、この英語っぽい文字を教えてくれないかな……。

きっと、ダーク・シルバーって奴は文字を読めただろうし、誰に頼めば良いのやら……」


悩んでも答えがでない。文字が読めないから教えてくださいって頼むのは恥ずかしい。

悩みすぎると、『人間』という名前のハムスターマンの事が思い浮かんで、余計に何もできなくなりそうだ。

悪い誘惑に誘われたショタ妖精は、気分転換のために、屋敷の二階の窓から飛び降りた。


『飛び降り自殺にしか見えない図』

『空を飛べない事故が起きたら、その瞬間死ぬな……うむ』


紫色の羽で優雅に、シルバーは空を飛ぶ。

彼はそう、領主なのに、書類仕事ができなかった。


『領主の仕事はまだあるお!子作りすればいいお!』

『ハーレムもお偉いさんの義務ですぞ!はよ!嫁をもっと増やしてハーレム!はよ!』



~~~~~~~~~



風を切る感覚が心地良い。

空を飛んでいる間は、豚人間に襲われる心配も、暗殺される危険もない。

空という空間は、シルバーにとって絶対的な優位と、精神の安定を齎す聖域――


『スカート履いて欲しいお!男の娘の姿になったら、一万円あげるお!』

『パンチラ!パンチラ!』

『妖精さんも縞々パンティー履こうよ!100円あげるから!』


「そんな少ない金で、女装するのは嫌だ!」


欲望のままに、語りかけてくるネットの邪神達が居なければ、静かで心地良い空間なのになぁと、シルバーは悲しくなった。

憂鬱な気持ちに耽っていると、ストレス解消にならないから、ショタ妖精はプラチナ村を上空から眺めて、あちらこちらを見物して、楽しむ事にした。

千人の亜人が住み、町と言っても良い城塞が、自分の物。そう思えば、とんでもない勢いで出世したという、実感が持てる。

ドワーフの工房辺りを見ると、その裏庭に設置された手押しポンプで、水を汲み上げて桶にいれている最中のドワーフ娘がいた。

真っ赤なポニーテールで、姉御さん気質の合法ロリ――ミカドワだ。


『妖精さん、ミカドワたんが手押しポンプを自作しちゃっている件』

『しゅごい技術力……きっと三日で作ったんだわっ……!』

『さすが三日で全てを作るドワーフっ……!』


桶の中身が、あっという間に、綺麗で冷たい水で満たされた。その途端、ミカドワが――服を脱ぎ始めた。

白いタンクトップを豪快に脱ぎ、健康的な裸体が全世界大公開のスッポンポン。

太陽でよく焼けた、健康的な肌が生々しくて美しい。胸はプラチナみたいなチッパイだがバランスが絶妙だ。

そのまま、彼女はポニーテールを結んでいた青いリボンを解き、爽やかなストレートヘアーになる。

更にズボンも脱いで――


『キタァァァァァァ!!!縞々パンティー!赤と白の縞々ぁー!』

『ミカドワたんの脱衣シーンきたぁぁぁぁぁぁ!』

『縞々パンティが美しいお』

『うむ……やはり脱衣シーンは最高だな……と思ったな、うん』


「もうやだ、この邪神達」 


一緒に覗き見しているシルバーは悲しそうに呟いた。

皆で仲良く女性を覗いても、そこにエロスはない。

あるのは、悪友達と一緒に遊ぶ楽しさだけだ。


『動画を見たら、また、妖精さんが覗きをしてる』

『妖精さんの青い目が、ミカドワたんの脱衣シーンを見ている件』


「……お前らだって、可愛い女の子の裸は好きだろ?」


『この動画は貴重なんだお。

素晴らしい合法ロリ娘が、この村にはたくさんいるんだお』

『うむ……寄付金がたくさん集まるのも理解できる……エロ動画だと思うな……嬉しくなったから千円ほど寄付させてもらおう』


気が付けば、ミカドワは縞々パンツを脱いで、完全に裸になっていた。

白い布を、桶の水の中に突っ込み、若々しい肢体を綺麗にしようとする瞬間、ネットの皆が気がつく。


『ミカドワちゃんの近くでwww覗きしているドワーフがたくさんいるぞwwww』

『これこそ、田舎の醍醐味だお』

『……ミカドワちゃんは、うっかりすると夜這いされそうな環境にいるのだな……心配だ』


裏庭の塀の向こう側に、ドワーフ達がいた。それも20人ほど。

どうやら、塀のあっちこっちに小さな覗き穴があるらしく、そこからミカドワの合法ロリボディを、違法に覗いでいるらしい。


『不適切でも違法じゃないのです、偉い人にはそれが分かるんです by 舛●都知事』

『よく見たら……ミカドワちゃんの背中が、傷だらけだお?』


言われてシルバーは、視線をミカドワの小さな背中に移した。

確かに、彼女の背中に薄ら、とだが、切り傷が大量にある。

これはありえないにも程があった。

なにせ亜人を構成している細胞は――小さな機械工場であり、血には小型ロボットが流れている。

ちょっとした傷は、完璧にすぐ治る。そういう便利な身体なのだ。

妖精さんが、豚人間相手に戦闘して勝利できるのは、その利便性を最大限発揮しているおかげ。

よほど、酷い傷でもない限り、切り傷が大量に残るなんて事はないはずだ。


『ド、ドワーフ達に苛められたんじゃね……?ミカドワたん』

『ま、まさか、プラチナたんが虐待したんじゃ……?』


「いや、そういう事はない……なんて言い切れないよなぁ。

ひょっとしたら、村にとんでもないゲス野郎がいるのかもしれない……。

ああ、また今日も無駄に殺してしまいそうだ、俺」


心配になった。

目の前で、布で美しい肢体をゴシゴシ拭いているロリなドワーフ娘の事が気になった。

でも、今、現場に突入すれば『変態』のレッテルを貼られるのは確実だ。実際にのぞき見している時点で。


『1万円寄付するから、ミカドワたんの背中の傷の秘密を聞いて欲しいお』

『私も5000円寄付しよう……妖精さんが、どういう行動を取るのか、手に取るように分かってきたな……うむ』

『石鹸をプレゼントして欲しい。さすがに水だけだと駄目だろ……可愛い女の子は石鹸で白濁にならなきゃっ……!』


ネットの皆が無茶な事を要求してくる。シルバーは即座に愚痴った。


「裸の女の子に近づく勇気はさすがにないぞ……。

ただでさえ、おれって、この名前のせいで勘違いされるし……」


『ハーレムやっているお前が言うなwwww』

『毎晩、エルフィンたんのオッパイに顔を埋めている妖精さんの発言www』

『俺のターン!

5万円を出す!さぁ!近づけ!

裸のミカドワたんに!』


「いや、さすがに5万円だとなぁ……中途半端な金額だし……」 


『ずっと俺のターン!

追加で5万円を出してターンENDだ!

これ以上は出さない!』


「もう一声!」


『クドい!ネットマネーが欲しくないのかね!妖精さん!』


「くっ……!わかったよっ……!

た、戦いの前だからっ!念のために貯金を増やすためにっ!仕方なくっ!

裸のミカドワに会いに行くだけだからな!」


ショタ妖精は、高い価値がある日本円の誘惑に抗えず、ネット通販で薬草石鹸1個(100円)を購入した。

肌に良い事で有名で、日本では、健康補助食品業界の皆が、顧客に配り歩いている有名メーカーの石鹸だ。


『ヤッタぁぁぁぁぁ!!!』

『ロリドワーフの裸を近くで見れるなんて最高だおぉぉぉ!!』

『うむ……妖精さんが、すっかり悪い子になってしまったな……。

だが、外見が子供だから、イタズラで済むのだろうか……?』


「ミカドワっ……!

尊い犠牲になってくれ!

俺は日本円を稼いで、嫁たちを守るためならっ!

どんな非道な事でもっ!してしまう男なんだ!」


『嫁のエッチィ動画も、ネットで大公開だお』

『妖精さんの身近にいる女は――ネット社会で、さらし者になる定めなのだ……』

『転生特典に、ネット通販を選んだ事を恨むがいいっ……!くくくくっ……!』


ショタ妖精は、ネットの邪悪なる欲望の神々に、魂を売ってしまった。

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薬草石鹸 1個100円


(´・ω・`)健康にいい素材で作られた石鹸ですお。

緑茶エキスとか、色んな植物のエキスが入ってますお。

でも、亜人は体内に流れるナノマシンがあるから、ずっと若いままだし、あんまり要らない気がする。


消費総額151万 ☛ 151万100円



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(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。

http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html



【内政チート】「俺は自走砲を開発してチートする!」第二次世界大戦時に発明された兵器

http://suliruku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_88.html

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