夜中に読むな、とは筆者の弁ですが、昼に読んだって怖いものは怖い

突然恐ろしい化け物が飛び出してきてキャー!と叫ぶ、といった恐怖ではない。10万字、40話をかけて、じっくりじっとり追い詰められ、疑わしい人物は増え、謎は深まり、狂気を孕んでいく、じりじり焦がされるような恐怖。その構成に、読んでいる人間は主人公と同化してこの世界に入らざるを得ない。

そして恐怖を加速させる筆致。単語の選び方、擬音、表情の描写、果ては改行まで、全てが終章で絶望に叩き込むために計算されているかのように、圧倒的な情報量、且つ流麗。

一度読んだら後はラストまで一気読み間違い無しです。

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