脚①

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 脚♪

  脚♪


 すらり脚♪

   もちもちの柔らか太もも♪

 

  しゅって足首♪


 真っ直ぐ並んで二つ♪


 白くていつまでも触っていたくなる♪


 そんな脚をあなたにつけて、二人で一緒に歩けたら素敵ね♪

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 殿城ゆう。

 仲吉友彦。


 ボクらのクラスメイトが立て続けに二人も行方不明になった。


 殿城ゆうについては一週間前から、仲吉友彦については三日前から警察なんかが一生懸命探してるけどまだ見つからない。

 

 「コレは連続誘拐事件だとおもうんだ」

 

 放課後の教室の隅でこっそり集まったメンツが、そう切り出したボクを見上げる。


 「ゆっぽん…そ、いうの簡単に決めつけちゃいけ、な、いとおもうんだ」


 怯えたようにミカがそう言って、カタカタカタ小刻み震えて隣に座っていた勉の顔色をうかがう。


 「そうだよ、ゆっぽん! 勉の前でそんな事いうなよ!」


 側でスマホいじってたケントが、不機嫌そうに肘でボク脇腹をこずいてじっと睨む。


 「…」


 勉は俯いたまま、何も言わない。


 「…そっか、勉は友彦とは最近まで仲良かったけ?」

 「ゆっぽん!」


 ミカがボクを怒鳴る。


 「なに? ボクなにか間違った事言ったか?」


 ボクの問いにミカが口ごもって、勉に『こめんね、ゆっぽんに悪ぎはないんだよ』っと何故か謝った。


 なんだ?

 ボクは何か間違った事を言ったのかな?


 「ミカ、ボクの記憶が確かなら勉と友彦君が『友達』だったのは友彦君がいなくなる10日ほど前までであったと認識しているが…違ったのなら謝罪するが?」


 勉の肩がギクッと揺れる。


 「ゆっぽん! そーゆーのは触れちゃだめなんだよぉお!!」


 『ばかぁああ!』と言いながらミカがぽこぽこボクの背中を叩く。


 痛くない。


 可愛い。


 「そーだぜ? ゆっぽん。 てめーがともこに目ぇつけられるのが怖くて友達切った奴の心中さっしてやれよ」


 「けんちーも、ホントの事でもそう言うの言わない!」


 むーっとほほを膨らませるミカの背後で、勉がすすり泣く。


 よく人の気持ちに鈍感だと言われるボクの目から見ても、勉の心に今のはかなり堪えた事が見受けられる。


 「ちっ!」


 ケントが、苛立ったようにスマホをズボンのポケットにしまってすすり泣く勉を睨む。


 「泣くくれーなら、なんで友彦ハブったんだよ! 友達だったんだろ!」


 「けんちー! やめて!」


 ミカが、立ち上がって怒鳴るケントの腕を掴んで座らせるがその勢いは止まらない。


  「俺は隣のクラスだから何があったかなんてよく分かんねーけどよ! お前らあんなに仲良かっただろ…なのになんでだよ!」


 「けんちー! そんな事言ったらミカも…ミカだって友彦君のこと…助けなかったよ!」


 ミカの悲鳴のような声に、ようやくケントが言葉をつぐむ。


 もういいかな?


 「盛り上がっている所すまないが、今日ここに集まったのは勉からの依頼だろ? 虐めの原因の追究じゃない」


 ボクの言葉にその場の空気が氷つくのを感じる…う?

 

 ああ、ミカの顔を見るにボクはまた空気が読めなかったようだ。


 「そう…だったな…ごめん勉…言い過ぎた」


 視線を勉からそらしたままのケントが、ぎこちなく謝罪する。


 ああ、そう言えはケントと友彦は同じ部活だったな…友彦が骨折したとかでバスケの試合は惨敗だったといっていたっけ?


 ま、そのことは置いといていい加減本題に入ろう。


 「勉、君の依頼は『仲吉友彦を探してほしい』そうだったよな?」


 ボクの問いに涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で勉は頷いた。


 ボクらは、この学校では少し名の知れた『探偵団』だ。


 だから学校で困りごとがあると、大概ボクの元に集まってくる。

 

 「ゆ、ゆっぽん…そんなの無理だよぉ…友彦君、もしかしたら誘拐かもしれないんだよね? 警察が探しても見つからないんだよね? そんなの子供のミカ達が探すなんて危ないよ!」


 いつものように怯えて、目をうるうるさせるミカは可愛い。


 「…俺はやるぜ…ゆっぽん! 友彦はバスケの部活仲間で俺のバディだからな」


 ケントが眼光鋭く席を立つ…流石、学年で友彦の次に背が高いとあってその体格は中学生にも引けをとらない…相変わらすカッコいいな。


 「お"え"も"っ、どもひご…ううううう~~~!!」


 勉、顔が崩壊してるぞ…ま、幼稚園児みたいで可愛く見えなくもないけど。


 「ゆっぽん…ゆっぽんが言いだしたら止まらないの分かるけど、こんなの今でみたいな学校の七不思議とか靴探しなんかと違うんだよ? もし、本当に悪人がいて追いかけられたらどうすの?」


 ボクは、スカートの裾から足を出してミカに見せてにこっと笑う。

 

 「誰にも捕まらないさ、ボクは最速だ」


  次の日、ボクらは早速調査に乗り出した。


 ボクらの調査対象それは一人の女生徒。


 ボクの知る限り、彼女はこのクラスではあまり立場は良くない。


 いや、それは今に始まった事じゃない。


 ボクも同じクラスになったのは初めてだったが、『悪い意味で目立つ』彼女の事は知っていた。


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