神様がくれた百円玉

 店の裏手の掃除を押し付けられて、暑いしだりぃとボヤきながら箒をはいてたら、俺の目の前にいきなりっこい爺さんが現れた。

「ワシはここにまつられとる神じゃ。綺麗にしてくれてありがとうのう。礼と言ってはなんじゃがこれをやろう」

 爺さんがそう言うと、空中に百円玉がポンと出現した。

 マジかよラッキー……ってバカかwww百円で喜ぶとかガキかよwww

 神様に会うなんて宝くじが当たる確率よか絶対低いだろwww百円とかケチらねーで、その百万倍はくれよwww

「百万倍じゃと?」

 渋い顔する爺さんを急かしたら、オッケーしてくれた。やっぱ言ってみるもんだなwww


 神様は悲しげに男を見下ろしていたが、やがてすぅっと姿を消した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る