ファラオの冥界大冒険

死者の書より 冥界において口を与えるの章

 大正時代に出版された資料を現代語に訳して、唱える役のアイに似合うように調整して小説に組み込んで、長すぎると気づいて大幅カット。

 せっかくなのでこちらに掲載します。




【冥界において口を与えるの章】


「この方の名はツタンカーメン。エジプトの王。エジプトを混乱より救いしファラオなり」


「ツタンカーメン王は死後の地にて新たに生まれ出る。我は祈る、ツタンカーメン王の腕が神々に振り払われることのなきように、ツタンカーメン王に口が与えられ、大いなる冥界の主の前で自ら語れるよう願う」


「ツタンカーメン王は墓所の主なり。ツタンカーメン王は冥界の王に繋がる者なり。我は祈る、ツタンカーメン王に、階段の上にある者と同じ運命を望む」


「輝きの主よ、大宮殿の主にして夜と暗黒の君主よ。我らは今、汝を敬い、奉る。ツタンカーメン王が汝の前に来たれるは、の霊体が清らかなものなればなり」


「汝の両手は汝の背後に、汝の運命は汝の祖先とともにあり。ああ、我らは願う、ツタンカーメン王に語れる口を与えたまえ。雲と闇とのある時期にも、ツタンカーメン王の心を導きたまえ」



参考資料


国立国会図書館デジタルコレクション


 世界聖典全集. 前輯 第10巻 死者之書 上

 世界聖典全集. 前輯 第11巻 死者之書 下


 大正九年、出版

 世界聖典全集刊行会

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