第七夜 納涼大肝試し大会

「ご主人たまのお望みなら、ゾンビの群れでも喚び出しましょうか?」


「結構だよ。ボクから真っ先に頭をかじられて、仲間に引き入れられそうだもの。」


「そしたら、真ん中でスリラー踊ってくださいね☆」


「テレビの見過ぎだよ!」

この暇な悪魔はマンガとテレビが大好きで、一日中でも観ていられそうだった。


「あれをまた生で観られるなら、この国をゾンビだらけにしてみたいDEATH☆」


「あのね、たとえボクだけ頑張って踊ったとしても、他のゾンビは踊らないと思うの。」


「心配ご無用!MJも墓から喚び出しますから!」


「スーパースターに無茶させちゃいけません!」

大丈夫。慌てて止めさせたので、安心してください。


「でも腐乱死体の彼、魔界ではよく踊ってますよん?サタン様もお気に入りで、エンタのサタン様にも、よく出してます。」


「“生”ってそういう事!?とにかくMJもエルビスも無し!」

想像してしまうと、ちょっと笑える。


「またまたご主人様ったら、キング・エルビスならまだ生きてるじゃないDEATHか★」


「しれっともの凄いこと言うんじゃない!!ボクは何も聴かなかった。いいな、何も聴かなかった!!」

大事なことは2回言う主義だ。


「わかりましたよん。じゃあ間を取って歌丸さんではいかが♪」


「歌丸さんはまだ死んでねーっつーの!しかも全然、間取ってねーし!」


「あれ?じゃあたまに魔界のテレビの“笑天”で見かけるあのスキンヘッドは誰なんでしょう?」

坊主頭をスキンヘッドと呼ばれるのは違和感がある。


「ぎゃ~歌丸さん何してんの!・・・あまり深く考えたくない(T ^ T)と、とにかくエルビスも、歌丸さんも無しの方向で!」

ボクはこの世の理を疑いたくなってきた。


「チェ、わかりましたよん⤵︎⤵︎じゃあ“地獄の魔犬ケルベロス”か、“我が子を食らうサトゥルヌス”あたりの誰かから選ぼっかな♪」

渋々舌打ちしながらも、アリスは了承してくれた。その後の言葉は聴いてない事にする。どうやらボクはあまり中まで立ち入らず、距離を置いて、見守るとしよう。万が一の時は、身を呈して飛び込むつもりだ。多分、何も出来ないけどね。


やるべき事が大体定まったところで、そろそろまた話を“現在”に戻すとしよう。



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