第六夜 悪魔と天使

どうやったのかは知らないが、ボクらはみんなを驚かせるチームに任命された。

でも驚かせるといったって、ボクが出来ることといったら、白いシーツを被ってワーッ!と大声を上げて掴みかかる程度だ。

アリスにそう言ったら


「ご主人たまは余計なことしないですっこんでろでございますョ」

と、つれない返答が返ってきた。


「言葉遣い変だろ。じゃあ一体おまえは何して脅かすんだ?」

好奇心から尋ねてみる。


「知らない方がご主人たまの為DEATH★」

と、またまた怖いことを言う。でも本当に知らない方が身の為なのかも知れない。実際に知らなければ、心も痛まないし、後悔もしないだろうし。

言われた通り、ボクは知らぬ存ぜぬを突き通すことにした。後悔するとしたら、この見た目は可愛い魔獣を召喚してしまったことだろうが、今更言っても仕方ない。

参加者の子ども達が泣き叫ぶ様なことになったら、ボクがフォローに回るとしよう。ボクまで泣き叫ぶ羽目にならなければ、だけどね。その心配は大いにある・・・。

まぁいい、大きくなれば社会には理不尽なことなど沢山ある。前もって経験しておくことは、彼らの為にもなるだろう。

身をもってそれを知っているボクは、敢えてアリスを止めないことにした。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る