不完全世界と魔法使いたち⑤ ~物語と終焉の魔法使い~(上)

安路 海途

引用

「しかし、たとえそれらすべてが訪れ、実現するとしても、やはり俺はそんなものを認めないし、認めたくもないね! たとえ二本の平行線がやがて交わり、俺自身がそれを見たとしても、俺がこの目でたしかに見て、交わったよというとしても、やはり俺は認めないよ。これが俺の本質なんだ、アリョーシャ、俺のテーゼだよ」


 ――ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(原 卓也・訳)より

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