プロローグ 2

  プロローグ 2


 ━━━作戦司令室━━━


 奥に巨大なモニター・周りには、パソコンモニターを食い入る様に見つめる基地職員。

 モニターと卓上灯の灯りが薄暗い室内を淡く照らし出していた。

 そして、通路を照らす下からの灯りが中央のパイプ椅子に腰掛ける大柄の女性を浮かび上がらせていた。

 豊満な胸をボーンブラックの吸い込まれそうない黒い軍服に詰め込み服はピチピチはち切れんばかりに身体に密着していてその美しく魅惑的みわくてきな身体のラインを浮かび上がらせている。

 これで軍務に従事出来るのだから収縮性の高い生地が使われている様だ。

 組まれた腕は如何いかなる男性をも虜にして止まぬ大きな胸を更に強調させる。

 グラマラスなお尻を今にもはち切れそうなボーンブラックのホットパンツに押し込み、スラリと伸びた長く透き通る肌が印象的な美しい足を組み背を背もたれに退屈そうに預けている。

 撫子色なでしこいろ(強いピンク)の長い髪の奥から覗く切れ長で何処かサディスティックな雰囲気をかもし出す瞳は、まだ閉じらたままだった。


 防犯装置をモニタリングしている兵士が冷淡な瞳で画面を見つめながら無機質な報告をする。

 「大佐、ターゲットはBと接触しました。」


 大柄の女性は、ため息を一つつき座面を両手で掴みギシリと背もたれに身体を預け頭を仰け反らせ撫子色のつやめく髪を床にハラハラと落し兵士を見やりおもむろに閉じていた眼光を薄っすらと見開き

 「あぁ……そうだな、動きが有るまで監視を続けろ」


 「クラウディアお嬢様、御茶の御用意が出来ました。宜しければ」

 そこにはおよそ軍隊とは似つかわしくも無い人物がティーセットが用意されたお盆を片手に口髭くちひげたくわえ仕立て良くあつらえた執事前しつじぜんとしたやや小柄に見える老人が後ろに立っていた。


 姿勢を正しおもむろに用意された御茶のソーサー(ティーカップを乗せる皿)を受け取りカップを傾ける。

 「フォルスマン!ここでは、クイーンと呼びなさい」


 「かしこまりましたクイーンお嬢様」


 「さて、今日はこれからどうするのかしらねぇ♡」


 したり顔で正面のメインモニターを見つめるクイーンの表情は、何処か楽しげに見えた。


 優雅ゆうがにカップをその妖艶ようえんなクチビルに口をふくませ香りを楽しみながら飲み込むと、まだ中に半分以上残しソーサーに置くと


 「ねぇ~フォルスマン今夜は彼、動いてくれるかしら」


 老紳士は畏まり虚空こくうを見上げ


 「今夜は、月が綺麗です。きっと良い事が起こるでしょう」


 「そうね……そう成ると素敵ね」


 老紳士はニコリと笑い


 「彼らの新型メカノイドはほぼ99%完成しております。只、気掛かりなのは走行、航行などの起動試験がまだ一度も試されていない点だけで制御プログラムの設定を済ますのみ。もう、回収しても問題は無いかと」


 「そうね、それも良いかも知れないわね♡……でも  」


 兵士をきびしい目でじっと見つめあごしゃくって合図すると兵士はうなずきメインモニターの表示をメカノイド断面図に切り替えた。


 「でもね、フォルスマンあの空間が気になるの♡」


 と後部座席下の何も無い空間をカップで示した。


 「お嬢様、あのスペースは荷物を収納する為ではないでしょうか」


 カップを口に含み心を落ち着かせると


 「そうね、そうかも知れないわね♡でも、彼がそんな凡庸ぼんような事をするかしら」


 「お嬢様、大変失礼ながら申し上げさせていたいただきますがこの新型メカノイド、可変機構を備えている時点ですでに画期的かと思われます。現在可変機構を備えたメカノイドはこの2体のみです」


 カップをゆららしメインモニターを見つめながら一口飲み干すと


 「そうなのよね♡でも、可変機構が有りメカノイドが変形出来たとして実戦で役に立つものかしら」


 老紳士は深く畏まり


 「出過ぎた事を申し上げ大変しました。お嬢様」


 残りのお紅茶を一気に飲み干しカップを老紳士に返すと指でパチリと合図を送り、メインモニターの

画面を戻し厳しく冷酷な表情をすると


 「現在の状況を報告しろ」


 「現在第四ドック内にてターゲットB及びターゲットSが接触中、メカノイド2体は今だ沈黙を護っています」


 「現在の兵装を報告しろ」


 「新型メカノイド2体は、実験機 ゆえに武装はほどこされておりません。ターゲットSの個人武装のみと目されます」


 「開発データは逐一記録しろ、もしブロックする様な素振りを見せたらターゲットB、Sを抹殺しても構わん。以上!」


 「了解!」

 兵士は、作業を始めた。


 「良いのですかお嬢様」


 「あぁ構わないわ、手に入らないのなら壊してしまえば良い♡ でも、この四方を海に囲まれた絶界の孤島―要塞都市コペルニクス―如何いかにスレイヤーといえども脱出は不可能その心配は要らないわ、全て私の物よ。ねぇフォルスマン♡」


 突然室内がいや要塞都市が赤々と建物を染め上げていきけたたましいアラーム音が始まりを知らせた。


 「大佐、たった今第四ドックのメイン動力に火が入りました」


 「総員第一級戦闘配備につけ、敵だ!」


 「侵入者発見、侵入者発見、総員第一級戦闘配備、繰り返す総員第一級戦闘配備、敵を掃討せよ」


 「良いのですか?お嬢様、スレイヤー様は、まだ敵ではないのですが」


 「私がダメと言った事をやぶってしまったのだら敵で間違いないわ♡」


 「はい、お嬢様」


 「都市コンピュータウィルス侵入」


 「ウィルスに犯された箇所は、全て廃棄、第四ドックに繋がる通信、電源を遮断、ただちに第四ドックを隔離し包囲しろ」


 「出て来たところを私が狩る。フォルスマン収穫の時間よ♡」


 「はい、お嬢様」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る