霧を割いて

揺れる

風の中に夢を見た


うたえ

うたえ

心は還る

旋律の記憶は

夢見た笑顔をただ

思い起こす

閉ざされたセカイから

滲み出る鼓動と

壊れかけた私のねじを

巻いて

今日だけならと揺れた

小心者と

渇いた花束の

ささやかな口笛の

善意を被って

カマトトも舞い踊る

静かに

暗闇に浮かぶ

瞳は

光をついに取り落とした

十数年歩き続け

まだ果ての見えぬ道を

選ぶことしか出来ずに

霧の向こうにあるという

希望の光探して

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