◆Preplay02◆集い来たる来訪者

 『ストレンジャーガイド』を用いたリプレイの執筆を指名されてから数日後。

 東京秋葉原にあるF.E.A.R.の会議室に五人のメンバーが集まりました!

 その面々を紹介しましょう。


菊池たけし

 先に簡単に紹介した通り『AR2E』のゲームデザイナー。

 好きな異世界トリップものは『日帰りクエスト』『連合艦隊ついに勝つ』。

 「いかにも」なラインナップですな。


鈴吹太郎

 こちらも先に紹介した通り、F.E.A.R.の社長。

 好きな異世界トリップものは『多元宇宙の王子』『ミオよわたしのミオ』。

 ……って、読者の皆さんご存じですかねぇ?


大畑:そして、ここからが新キャラの登場です(笑)。まずは田中さんからどうぞ。

田中:どうも、田中信二です。


田中信二

 通称“かわたな”。かわいそうな田中の略。

 リプレイの執筆やDTPなど色々こなすスゴい人。

 好きな異世界トリップものは『轟世剣ダイ・ソード』『西風の戦記』。

 王道っぽいチョイスですな。


大畑:そしてうちの社長のスーさんと双璧をなす、“濱ちゃん”こと濱田さん。

濱田:なんか、釣り好きのサラリーマンみたいな紹介のされ方ですね(笑)。


濱田晃輔

 TRPGサポート誌ゲーマーズフィールド編集長。

 こちらもリプレイ執筆やDTPもこなすマルチなお方。

 好きな異世界トリップものは『NG騎士ラムネ&40』『転生したらスライムだった件』。

 懐かしのアニメと最近の作品と、バランスがいいですな。


濱田:異世界トリップもののリプレイを収録すると聞いて、喜んでやってきました(笑)。

菊池:そいつは頼もしい。

大畑:……という愉快なメンバーで収録します。

菊池:一番愉快なOはた自身の紹介は?

大畑:OH! 忘れてた!!(笑)


大畑顕

 この本のGM兼執筆者。普段はF.E.A.R.のゲームにおけるデータ制作担当。

 本書の発売と同時にゲームデザイナーデビューも決定。

 好きな異世界トリップものは『剣の街の異邦人』! ええ、『剣の街の異邦人』ですとも。『剣の街の異邦人』をよろしくお願いします!


大畑:……とまあ、多少宣伝混じりの自己紹介が済んだところで……。

菊池:多少?(笑)

大畑(以後、GM):ここから先、僕の呼称はGMに変わるのでした(笑)。


     *   *   *


GM:というわけで、ここから今回予告とシナリオハンドアウトを公開します!

一同:了解!


 今回予告とはこれからプレイするシナリオの内容を紹介する工程のこと。GMからプレイヤーへの「こんなキャラクターを作って欲しい」という提案であるシナリオハンドアウトと併せて、プレイヤーキャラクターを作る手がかりになります。

 なお、シナリオハンドアウトは“ハンドアウト”と略されることが多いですね。


GM:それでは今回予告から!


●今回予告

 現代地球から、エルーラン王国の貴族として転生したPC①。

 前世とは全く違う生活がエリンには待っていた。


 そして、いよいよ領地を得ることになった。

 南の海に浮かぶ、美しい孤島だという。

 しかし、その島にはゴブリンとギルマンが住み着いているとかで……。

 『アリアンロッド 2E・リプレイ・フォーリナーズ』

 第一話「異世界で南の島の領主になろう」

 冒険の舞台がキミを待つ!


菊池:島かよ!

田中:島編ですね。

鈴吹:釣りとかできそうだね。

濱田:「ドモドモ」とか言わないとダメですかね?

田中:ギルマン釣りですか?(笑)


 ギルマンは魚に手脚が生えた形状のエネミー。ゴブリンは小鬼とも呼ばれるエネミー。


ゴブリン&ギルマンイラスト↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。イラストを閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/03goblin.jpg

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/04gilman.jpg


菊池:まあ、一波乱くらいはありそうだな。

GM:それでは続いてハンドアウトの紹介です。


■ハンドアウト

PC①用ハンドアウト

コネ:領民たち   関係:庇護   推奨:アーシアン(転生)

 キミはアーシアンである。エルーラン王国の貴族の家に転生し、華麗な生活を送っていた。しかし、それも束の間のこと。キミは、南の海に浮かぶ孤島の領主となることが突如決定し、その地に赴くことになった。島にはいろいろな問題が山積しているという。この島の領民たちと、うまくやっていけるだろうか?


菊池:うーむ。領地経営か……いかにも異世界転生で内政無双でもしそうなシチュエーションだが。大変そうだなあ。

GM:PC①はぜひ菊池さんにお願いしたいと思います。

菊池:俺ご指名かよ!(笑) しかもいきなり孤島に送りこまれた領主とか……これは無茶振りだよっ!!

一同:あんたが言うか!(笑)

菊池:あ、あれ?(笑)

GM:まあまあ、菊池さん。大変だからこそ面白いんじゃないですか。

菊池:全くその通りだよ! そして、俺もさんざん同じような事をGMの時にはやってたよ! つつしんでPC①をやらせていただきます(笑)。

GM:続いて他のPCのハンドアウトです。


PC②~PC④用ハンドアウト

コネ:PC①   関係:任意   推奨:アーシアン(転生)

 キミたちは、エリンにトリップしてきたアーシアンである。同じアーシアンで、現代地球の前世の記憶を持つPC①とは何らかの形で関係があった。キミたちは、さまざまな事情から、とある島でPC①と行動をともにすることとなったのである。


一同:三人みんな同じかよ!

鈴吹:これは、PC①にリソースを集中させるタイプのシナリオだね。

濱田:なんか『桃太郎』みたいですね。

田中:『怪物くん』のようでもありますね。……って、『オズの魔法使い』もそうか。

GM:それでは雰囲気もつかめたようですし、PCを作ってください。

菊池:(ハンドアウトを確認して)全員アーシアンであることが推奨されている……と。そのほかのレギュレーション(キャラクターを作成する条件)は?

GM:はい。詳しくはこんな感じです。


・キャラクターレベルは7

・初期所持金は一四七〇〇G

・新発売のサプリメント『ストレンジャーガイド』に加え、『スキルガイド』『アイテムガイド』などのガイドブックをはじめとしたサプリメントをすべて使用可能

・「スクエア戦闘用スキル」「ゲッシュ」「ローカルデータ(ダイナストカバルなど)」といった要素は使用不可


田中:へぇ。かなり色々なデータを使えるね。

GM:せっかくですので、皆さんにより自由な発想でPCを作成していただきたいと。そして、その結果、苦労してGMが死んでもそれは僕の責任ということで。あぎゃぱぁーっ!

一同:キャラメイク前に死ぬなよ!?(爆笑)


 かくして始まるPC作成。

 ばばばばっ! と、ルールブックやサプリメントが猛然とめくられていきます。

 会議室の中には素敵なPCを作ろうと、情熱を注ぐ男たちのつぶやきが交錯して……。


「異世界かぁ……。大変そうだから、僕は歌に生きよう!」

「バードか!? ふむふむ……基本クラスはアコライト?」

「ええ! 歌って祈れる神官を目指します!」

「じゃあ俺は、せっかくだからこのサイバーオーガンってヤツをやってみるぜ」

「(ダイスを振る)あ、ライフパスで[怪物化]が出た。GM、これをひとひねりした形で表現したいんで『アイテムガイド2』の伝承武器を使いたいんだけどOKかな……」

「(詳しい話を聞いて)なにぃっ!? なんてまたアクロバティックなんだ!?(笑) まあ、面白そうなんでOKです。なんか苦労しそうな気もしますけど(笑)」

「わはは。俺のハンドアウトには華麗な生活……とあったな。これを実現するには、まず財力と権力。これを実現するには情報が大事だな……」

「あ、菊池さん。菊池さんのPCのライフパスを振るのは、ちょっと後回しにしてください。ライフパスの使い方を読者さんに例示したいので」


 そんな感じで百戦錬磨のゲーマーたちがモリモリPCを作っていきます。

 時が流れていくうちに、なんとも面白そうなPCができあがっていくじゃないですか、奥さん! そんな感じで、PC作成も大づめを迎えつつあったころ、GMは次のステップに移ろうとしたわけで……。


●アーシアン専用ライフパスとは?

 現代地球から、エリンにやってきた新種族アーシアン。エリン在来の種族とは異なる人生を表現する手段。それが『ストレンジャーガイド』「アーシアン専用ライフパス」なのです。


菊池:(甲高い声で)では、「アーシアン専用ライフパス」の使い方をご説明しましょう!

一同:うさんくさいっ!?

菊池:うさんくさくない!(笑)

濱田:いやあ。語尾を跳ね上げる口調が、うさんくさい通販番組的な説明口調だなあ、と。

菊池:今から解説をするんだから説明口調になるのは自然だろ!?

田中:ということは……うさんくさいのは菊池さん自身?

菊池:なんだとぅ!?(笑)

GM:えーと。とにかく始めますよ?

菊池:うい(笑)。(甲高い声で)それでは、異世界に転移する前のPCがどんな人物だったかを表現する「転移前ライフパス」からご紹介しましょう!

一同:やっぱりうさんくさい!!(笑)


 話が進まないので解説を。転生前ライフパスとは異世界に転移する前のアーシアンがどんな人物だったのかを表現するチャートです。

 転移前ライフパスは次の表で構成されています。「人間性決定表」と「人間性内容表」。「立場表」と「学生表」「社会人表」「その他表」。そして最後に「大切表」です。


菊池:では……(甲高い声で)「人間性決定表」と「人間性内容表」をROCして人間性を決めましょう! ROCというのは、「ロール・オア・チョイス」の略。つまり、「表を振っても任意に結果を選択してもよい」という意味ですねぇ!

鈴吹:あくまで通販番組口調にこだわるんだ(笑)。

菊池:人間性決定表はD6つまり、六面体ダイスを一個振ることになります……とりゃっ!!

(ダイスを振る)……5。

濱田:(表を見て)「自分は[A]のつもりだが周囲は[B]と思っている」ですね。

菊池:はい! これは自己と周囲の評価にギャップがある、ということですね!

GM:次は人間性内容表です。ダイスを振る場合はD66を二回振ってください。

菊池:はい、D66というのはダイスをふたつ振り、片方を一〇の位、もう片方を一の位として見る振り方のことですね! (ダイスを振る)36と……41!

濱田:それぞれ“怠惰”と“天才”ですね……。

GM:つまり自分は[怠惰]なつもりだが、周囲は[天才]と思っている。

一同:カッコイイ!

鈴吹:なんか、主人公っぽいじゃないですか!

菊池:はい! こんな風にキャラが立つんですねぇ。

田中:ちょっと照れてますね、菊池さん(笑)。

GM:続いて、ちょっと照れてる菊池さんに立場表を振っていただきましょう。

菊池:「立場表」とは、そのPCの社会的な立場を決める表になります! 最初の表で「学生」「社会人」「その他」という大まかな立場を決めるんですねぇ! ……ところでGM。

GM:なんですか? 急に素の口調に戻って。

菊池:ここで[社会人]を選択していい? 今回、元サラリーマンのPCを作りたいと思っていたんで。

GM:OKですよ。では、社会人表にいきましょう。


 「立場表」で大まかな立場を決めた後、「学生表」「社会人表」「その他表」に進んで、より詳細なイメージを決めることになります。


菊池:おりゃっ!!(ダイスを振る) 4で[奇人]!

GM:会社では奇人として有名だったって感じですね。

鈴吹:ますます風変わりな天才ってイメージが強くなってきましたよ(笑)。

菊池:(甲高い声で)それでは次に「大切表」を振るんです! この「大切表」は、その人物にとって何が大切なのかを決めることができるんですねぇ!

濱田:またいかがわしい口調に戻った(笑)。

菊池:(ダイスを振る)……42。[見果てぬ夢]か……私には夢があった!

田中:して、どんな?

菊池:そうだなあ……実は私が勤めていた企業は、超ブラック企業だったのだ。

一同:ブラック企業!?

菊池:会社の業務を改善し夢のある体制を作ること。それが私の夢だった……。

濱田:なんか、夢も希望もない状態だったために見た夢って感じですね(笑)。

GM:これにて転移前ライフパスは終わり。次はアーシアン専用ライフパスです。


 ここでいうアーシアン専用ライフパスとは、基本ルールのライフパスに対応するアーシアン用のライフパスのことです。


菊池:(甲高い声で)基本ルールの「出自、境遇、目的」に対して、アーシアン専用ライフパスは「特異、転移、目的」の表があるんですねぇ!

濱田:あ、まだその口調でいくんだ(笑)。

菊池:はい。では、アーシアン(転生)用の「特異表」を振ってみましょう! ……(素に戻って)ところでGM。

GM:はい、なんでしょう?

菊池:「特異表」の転生前と転生後の両方を振ってみたいんだが?


 アーシアンの「特異表」には異世界転移前と異世界転移後の両方の項目があります。プレイヤーにはより上手く設定に組み込める方を選択してもらうことになるのです。

 ただし、GMの許可があれば転移前と転移後の両方を設定してよかったりします。


GM:OKです。ただし一般スキルは先に選んだ方でお願いします。

菊池:はぁい。特異表では選んだ項目によって一般スキルがひとつ手に入るんですねぇ!

GM:なお、転移前と転移後の両方を設定した場合でも手に入るスキルはひとつだけなので注意が必要ですね。

菊池:でわぁ先に転移前から……(ダイスを振る)21。

GM:[無駄知識]。あなたは無駄に膨大で深い知識を持っている。

菊池:無駄って言うなぁっ!!(一同爆笑)

鈴吹:キャラ立ってますねぇ、菊池さん(笑)。

田中:これはもう、内政キャラを作るしか!


 内政というのは元々シミュレーションゲームなどで使われていた用語。領域内の経済や行政などをひっくるめて、ひとつの能力として表したものをさします。

 そこから転じて現代知識を使って異世界の政治や経済を改善する行為を内政と呼ぶようになったわけで……。


GM:あ、ちなみに一般スキルの《アルケミーノウリッジ》が手に入ります。

菊池:わかった(メモメモ)。(甲高い声で)続いては転移後! (ダイスを振る)35!

GM:[悪役]。あなたは悪役のポジションにいる。

菊池:(素に戻って)[悪役]かよ!!

田中:これは……いったいどんなキャラが生まれるんだ……。

GM:興味は尽きませんが……ともかく「転移表」に行きましょう。

菊池:(ダイスを振る)……66で[火炎]。会社で起きた火事に巻き込まれて転生した、と。

GM:悲運のキャラっぽいですね。では、最後に「目的表」をお願いします。

菊池:(ダイスを振る)22。[再会]か……。イヤな上司と再会して復讐したい。

GM:どんだけ元の会社にしがらみがあるんですか!?(一同爆笑) 


 そんな感じで菊池PCのライフパスは決まりました。

 イエーイ!

 ほどなくして、そのほかのPCたちのキャラクター作成も終わり、各々の自己紹介へと移る準備が整いつつありました。


GM:ではみなさん、各自のPCの自己紹介をお願いします。

一同:はーい。

菊池:……あ、途中から説明口調を忘れてた。

一同:それはもういいから!(笑)



▼PC① 菊池たけし……ラヴィニア・リベンジの場合

人間性:自分は[怠惰]なつもりだが周囲は[天才]と思っている。

立場:社会人/奇人  大切:見果てぬ夢

特異:無駄知識/悪役 転移:火炎    目的:再会


菊池(以下、ラヴィニア):名前はラヴィニア・リベンジ。一七歳の女。種族はアーシアン(転生)で、エルダナーンに転生した。エルーラン王国の悪役令嬢だ!

一同:悪役令嬢!?


 「悪役令嬢もの」とはフィクションの一ジャンルです。女性向け恋愛ゲーム(いわゆる乙女ゲー)のヒロインキャラとライバル関係になる悪役の令嬢を主人公に据えた物語ですね。

 主人公は基本的に貴族か富豪の令嬢で、頭脳明晰かつ眉目秀麗なハイスペックキャラ。

 おうおうにしてゲームのヒロインキャラと敵対することになります。


鈴吹:なるほど。だから名前がラビニアなんですね。『小公女』の。

ラヴィニア:のーのー! ラ「ヴィ」ニアです、ラ・ヴィ・ニ・ア。……まあ、アニメ版のそのキャラのオマージュなのは間違いないですが(笑)。

田中:うわ懐かしい……。考えてみれば悪役令嬢の元祖みたいなキャラだなあ。

ラヴィニア:転生前は現代地球のメーカーに勤めるおっさんサラリーマンだった。周囲には天才と奇人は紙一重的に思われていたようだが……。

鈴吹:そのおっさんが火事で死んでしまうんですね。

ラヴィニア:そう……徹夜続きの研究に疲れた私は、会社でいねむりをしているうちに火事で焼かれ……気づいたらエリンに転生。貴族令嬢ラヴィニアとしてすくすく成長する。

濱田:恵まれた人生ですね。

ラヴィニア:だが、前世の記憶を持つラヴィニアはそんな程度で満足しない。王国を手に入れ、いずれは統一帝になるため画策し、ついにエルーラン王国の王子との婚約にこぎつけた。

GM:有能だ! でも統一帝はアルディオンの覇者の称号でしょ? 大陸が違います(笑)。

ラヴィニア:細かいことは気にしない(笑)。で、そんなラヴィニアの前に、超ムカつく女が立ちはだかった。人望あつく、子供や動物になつかれるパーフェクトヒロイン。人呼んで「ダイアモンドプリンセス」!

鈴吹:あ、ヒロインちゃんも『小公女』ネタですか(笑)。

ラヴィニア:しかも、王子がその女にほだされてね。逆恨みしたラヴィニアはあらゆる手段でダイアモンドプリンセスを排除しようとするわけだが……。

田中:悪役というか悪者令嬢じゃないですか!(笑)

ラヴィニア:しかし、ラヴィニアの策謀は王様にばれて辺境の領地に追い出されることに。

鈴吹:お、ハンドアウトに繋がった(笑)。

濱田:さすがは菊池さんだ!

ラヴィニア:データ面では……クラスはメイジとハッカー。情報も操る魔法使いって感じ。


ハッカー

 ハッカーとは、『ストレンジャーガイド』で追加されたクラス。最近エリンで実用化された情報ネットワーク“ユグドラシル”にアクセスし、その力を引き出すことができます。


ラヴィニア:装備は片手に魔法使いっぽく杖の形状をさせた赤き斜陽の剣。もう片方の手には、タブレットの外見をしたUMDライトを装備。これのお陰で【行動値】が+2されるのだ。

田中:現代地球の機器を巧みに使いこなしている!

ラヴィニア:基本的に強力な炎の魔法の使い手だ。《ファイアボルト》を《マジックフォージ》や《リゼントメント》で強化する。一方でハッカーの《ウィルスコマンド》みたいに、バッドステータスの[毒]を与えるスキルも持っている。

濱田:“毒と炎の悪役令嬢”って感じですね(笑)。

ラヴィニア:まあ、そんな感じで新たな領地を経営して捲土重来を目指す! 以上!!


ラヴィニアPC紹介図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/05ravinia.pdf


▼PC② 田中信二……五十嵐鉄也(黒騎士)の場合

人間性:どちらかといえば[最強]だがそれなりに[内気]でもある。

立場:学生/優等生 大切:未達の約束

特異:不幸/怪物化 転移:トラック/亀 目的:帰還


GM:では田中さんのPCの自己紹介を。

田中(以下、鉄也):名前は五十嵐鉄也。通称、黒騎士と呼ばれている。

一同:黒騎士!(笑)

濱田:べ、ベタな通称を……。

鉄也:アルディオンに転生し、鎧を使った戦いが得意なファランクスであることを強調するためにも「黒騎士」というふたつ名をつけました。


アルディオン大陸

 『AR2E』の基本ルールの舞台エリンディルとは別の、戦乱の大陸。ファランクスとはアルディオンに固有のクラスで、鎧など防具を活かした戦いが得意。


鉄也:種族はアーシアン(転生)で、クラスはウォーリア、ファランクスです。『アイテムガイド2』の伝承武具を取得し、その中の「達人の武具」を選択。このとき特徴が「しゃべる」だったので「知性を宿し会話できる魔剣が本体」というPCを作ることにしました。

ラヴィニア:魔剣が本体!? じゃあどうやって動いてるの!?

鉄也:まず、《アーシアン:転生》で機械生命体エクスマキナの種族スキル《ランパート》を得て《カバーリング》を取得。他に《マシンアーマー》や《マシンリム》などボディを動かす機構を表現する一般スキルで「カラクリで稼働するボディ」を表現しました。

濱田:なるほど。いわゆる“魔剣転生”のキャラクターですね。

鈴吹:なるほど。《カバーリング》できる身体はカラクリで、本体は剣だと言い張るわけだ。

ラヴィニア:め、面倒な工夫してますわ。

鉄也:ちなみに「本体が魔剣」というのは、あくまで演出。データ的には特別な処理はなく普通にボディを攻撃されればダメージを受けるわけです(笑)。

GM:この工夫に感動して「剣が本体というPC」を許可しました(笑)。

鉄也:ありがとう、GM! で、戦闘方法はいたってオーソドックス。《スマッシュ》《バッシュ》などの剣の技を主体に攻撃し、《カバーリング》で身を挺して盾となります。

ラヴィニア:いい感じに壁になってくれそうね♪

GM:では、ライフパスの結果をどうぞ。

鉄也:了解。まずは、転移前ライフパスから。「人間性」は、「どちらかといえば[最強]だがそれなりに[内気]でもある」となり、立場は「学生/優等生」です。

GM:鉄也は学生だったわけですね。

鉄也:そう。学業優秀かつラグビー部に所属の優等生。だが、実は自分に自信がなかった。そしてその自信のなさの元は、天才肌の双子の兄、勝也の存在にあった。

一同:おい!(笑)

鉄也:なお、幼なじみのナナミを高校ラグビー全国大会の会場である花園に連れて行くという約束。これが「大切表」の「未達の約束」です。

鈴吹:きっとナナミちゃんは家のお隣さんで、喫茶店のお嬢さんだったんだな(笑)。

GM:特異表の転移前は[不幸]で、思いを告げられなかった過去を表現。転移後は[怪物化]で命なき魔剣に転生したことを表わします。「転移表」の結果は[トラック/亀]。亀を助けようとしてトラックに轢かれました。

ラヴィニア:悲惨ねぇ(しみじみ)。

鉄也:しみじみ言わんでください! (笑)最後に「目的表」は[帰還]。約束を果たすため現代地球に戻りたい、と。

ラヴィニア:戻ってもすでにお兄さんが花園に連れてってる気がしますわ(笑)。

鉄也:それを言うなぁ!!(笑)

GM:はい。それでは次のPCの紹介に移りましょう!


鉄也PC紹介図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/06tetuya.pdf


▼PC③ 濱田晃輔……ポメ郎の場合

人間性:世間では[おバカ]で通っているが実際は[堅実]である

立場:学生/生徒会   大切:忘れじの味

特異:称号/意外な姿  転移:バス    目的:郷愁


濱田(以下、ポメ郎):名前はポメ郎。種族はアーシアン(転生)で、ポメロの肉体に転生したという設定です。

鉄也:ポメロのポメ郎!!(爆笑)

ポメ郎:肉体のデータはベスティア(動物系の種族)のリキッドというものを使っています。

ラヴィニア:ベスティアのリキッド? ……初めて聞きますわ。

GM:なにをかくそう、リプレイへの出演依頼のさい濱田さんから「ポメロに転生したい」という希望をもらいまして。一晩かけてデータを用意しました。

ラビニア:なんですってぇー!?


 なお、リキッドに加え七種のベスティアの種族スキルを、七月二〇日発売予定の『アリアンロッド2E・リプレイ・フォーリナーズ オレたちが異世界トリップして、エリンで無双する?』のP316に掲載しています。興味のある方はそちらをご覧ください。


鈴吹:まあ、GMがOKしたんならいいか(笑)。

鉄也:ああ、濱田君は『転生したらスライムだった件』のファンだっけ。やるなあ(笑)。

ポメ郎:いやあ、今回「弱いスライムが成り上がる」というキャラをやりたくて。『AR2E』ならポメロにすればいいかな、と。外見もかわいいし(笑)。

鈴吹:確かに! あざとく読者人気を狙ってるじゃないか(笑)。

ポメ郎:ちなみに、○○するポメ――みたいなしゃべり方にします!

一同:あざとすぎる!(爆笑)

ポメ郎:クラスはアコライト、バードです。《クイックヒール》《ファーストエイド》《アフェクション》《プロテクション》といった、回復、防御系のスキルで仲間を守るポメ。

鉄也:これは頼もしい!

ポメ郎:他に仲間を再行動させる《ジョイフルジョイフル》や、仲間の使用回数制限のあるスキルを再使用させる《ファイトソング》というバードのスキルも取得しています。

ラヴィニア:わたくしシーン全体攻撃が使えるのですが、それが二回使える、と?

ポメ郎:そうなります。ほかにも《ピューリファイ》というスキルがあり、僕の体内で聖水を生成できるポメ。この聖水を飲めば攻撃を〈光〉属性の魔法ダメージにできるポメ。

ラヴィニア:(微妙な表情で)なんか、あんまり飲みたくないわね(笑)。

ポメ郎:それから、ポメロっぽい装備として、『アイテムガイド』で追加された、ゼラチナスアーマーを装備しています。

鉄也:スライムがスライムを着込むようなまねを!(笑)

ポメ郎:ライフパスが「世間では[おバカ]で通っているが実際は[堅実]である」だったので、転移前は真面目なお調子者でした。「立場」も[学生/生徒会]というリア充であります。

GM:リア充? 爆発しろ!!(笑)

ポメ郎:さらに、「大切」は[忘れじの味]で、現代地球に大好物がありました。あとどうでもいいんですけど、イガラシテツヤって名前の人、僕の友達にいるんですよね。

鉄也:それ完全に濱田君個人の事情じゃん!?(一同爆笑)

ポメ郎:そうなんですけど(笑)。だから鉄也が他人に思えないんで、現世では彼の知り合いだったことにしたいんです。

鉄也:ま、いいけどさ(笑)。

ポメ郎:「特異表」は転移前は[称号]、転移後は[意外な姿]。まあ素直にオバカ生徒会長とか呼ばれていたのが、意外な姿ポメロに転生したということで。さらに「転移表」は[バス]。鉄也君がトラックに轢かれた時、それに気をとられた僕はバスに轢かれたと(笑)。

ラヴィニア:うかつすぎですわ!?(爆笑)

鉄也:お前……いったい俺のなんだったんだ(笑)。

ポメ郎:「目的表」は[郷愁]だったんで、故郷の味をもう一度味わいたい、ということで冒険をしています。まあ、そんな感じで。


ポメ郎PC紹介図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/07pome.pdf


▼PC④ 鈴吹太郎……サイバー・ゼロの場合

人間性:日頃は[努力家]を装っているが内心は[芸術的]である。

立場:社会人/窓際 大切:秘密のデータ

特異:友人/賢者  転移:老人     目的:居場所


鈴吹(以下、ゼロ):私の名はサイバー・ゼロ。三〇代なかほどのサラリーマン風の男。クラスはシーフとサイバーオーガンだ。

ポメ郎:サイバーオーガンきたぁ~っ!


サイバーオーガン

 『ストレンジャーガイド』で新たに紹介されたアーシアン専用クラス。機械や生体工学で強化された力を振るうことができる人たちです。


ゼロ:種族はアーシアン(召喚)。みんな転生だけど、『トーキョーN◎VA』のデザイナーとして、未来世界のウィアードアースからやって来たキャラクターをやりたくてね(笑)。

GM:なるほど~。そのほかデータ的にはどんな感じですか?

ゼロ:サイバー・ゼロは企業工作員でね。戦闘でも有能なんだ。特に範囲攻撃が得意。《サイドワインダー》でダメージを増やし、《ワイドアタック》で範囲(選択)の攻撃をする。

鉄也:数で押してくる敵に対しては頼もしいな。

ゼロ:さらに超テクノロジーで強化しており、《オーバーリミット》《オーバーアサルト》で肉体の限界を超える機動をさせ、命中判定や回避判定やダメージを上げることも可能だ。

ラヴィニア:『サイボーグ009』の加速装置みたいですわ(笑)。

ゼロ:そんなイメージです。なお、右手にワイヤーウィップを、左手にミスリルダガーをウェポンマウントで装着している。これは武器を腕の内部に見えないように格納するギミックで戦闘時には、それがジャキンと飛び出すぞ。

鉄也:隠密戦闘にも対応できるサイボーグなんですね。

ゼロ:うむ。基本的にビジネスマンらしくスーツ姿なんだが、武器を内蔵している右腕はボリュームがあるんで、そこは機械の腕が露出している。データ的な特徴はそんなとこかな。

GM:では、ライフパスの結果を紹介してください。

ゼロ:人間性は「日頃は[努力家]を装っているが内心は[芸術的]である」となった。基本的には仕事人間だが、成果には美しさというプラスアルファを求める感じだな。

ポメ郎:「完璧を超える何かが欲しい」ってことポメね。

ゼロ:立場は[社会人]で[窓際]。いつもたいした仕事をしていないように見せて、陰では企業のブラックオペレーションに従事してきた。[秘密のデータ]を大切にしているので、企業秘密を漏らすようなことは絶対しない。

ラヴィニア:わたくしの前世と違うタイプのサラリーマンですね。

ゼロ:世界が少し違うので(笑)。で、「特異表」の転移前は[友人]、転移後は[賢者]だ。同僚を残してエリンに来て、こちらで賢者と呼ばれるほどの知識を得たということで。

GM:なるほど~。

ゼロ:「転移表」は、[老人]。私がエリンに転移する際に、老人である我が社の社長にエリンへ行くように言われたのだ。「目的表」は[居場所]。エリンで我が社の業績を高めるべく日夜営業している。

鉄也:元の世界に戻れなくても会社への忠誠心は高いのか!

ラヴィニア:見上げた根性ですわ(笑)。

ゼロ:なお、会社の名前はイビルゴッド重工業。

ラヴィニア:邪神かよ!?(一同爆笑)

ゼロ:ま、そんな感じで私の紹介は以上だ。


ゼロPC紹介図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/08zero.pdf



 この後、各PCはPC間コネクションを結びました。今回はシナリオの特性上、ラヴィニアに対し他の三人がコネクションを取るという形となっています。また、ギルドはPCが全員参加したところで結成する形にしています。


PC間コネクション図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/11connection.pdf

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