第4章 そりゃないぜBABY 第7話 それが全て

どれだけの時間、私は打ちのめされていただろう。



私はナナとの想い出に浸っていた。


北海道旅行に行ったこと、東北三県湯巡りしたこと、愛知万博に行ったこと、群馬、横浜、ディズニー、ナナの肌、声、髪の色、。


パンが好きなところ。


虫が大嫌いなところ。


破顔して笑うところ。



ナナのことが好きなままブツリと終わってしまったこの恋に、私は対処することができていなかった。



ナナは押しに弱い子だ。


裏を返せば相手の意思に責任を委ねる人だ。


今回の件も、私との恋愛相談かなんかで接近させた男からの押しを《断り切れずムリヤリ》という状況に甘えたのかもしれないし、本当にムリヤリ犯されたのかもしれない。



ナニモワカラナイ。



事実は残っている。



ナナは他の男との子を妊娠し、私と別れ、出ていった。



それが全てだ。



今さら微細なプロセスなど聞きたくも知りたくもない。



私は事実だけ受け止め、親となることを申し出たが、それすらも、私も、相手の意思に責任を委ねていたのかもしれない。



、、、、、、、、、、、、、



私は今まで以上に仕事に打ち込んだ。



あとは飯を食ってクソをしていただけだ。

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