第3章 まいっちんぐ☆マッチング 第9話 未だ見ぬ未来が走馬灯

ムーがいろいろと面倒臭い感じではあったが、

なんとか、プロテインを買うためにドンキホーテへと向かうことになったのだが、、



私は、現状に愕然としていた、、!



ムーの歩みが遅過ぎるのだ、。


通常のスピードの2割の力しか出ていない。


それはもう、【ダラダラと歩く】道を極めし者の歩法だった。


己の意志を曲げられてドンキホーテに行くことを強要されて心底嫌がってなければこうはならない。


ドンキホーテに行こうとは言ったが、、

普通について来いよロシナンテ(ノロマ野郎)


ムーの顔には全く生気がなく、、口の端からは呪詛が漏れ出している。


、、、、


無理。


この子と一緒に歩くの無理。


、、、、



もう、どこかで時間を見つけて一人の時に来よう。


私の些細な都合をムーにお願いする事はやはり不可能なのだ、。


そう思った私はムーに歩み寄り、ムーの肩に手を置き努めて優しくこう伝えた


私『やっぱり帰ろうか。今度一人で来るから。』


と、伝えてる最中にかぶせて、


ムー『ッ触らないで!』



触らないで?


触らないで???


触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???触らないで???!?



問1.設問に対して適切な返答をせよ。


仕事帰りにドンキホーテで買い物したいから付き合ってよ。



答え『触らないで』



こんな世の中は狂ってる。



『触らないで』ってのは、、相手の存在を全否定するワードで、おいそれと人に言うもんじゃ無いかと、。


もし、私が『触らないで』に近いワードを誰かに使う時、、どんな時なら使うだろう、、?



そう、例えば、、、



彼女がホテルから他の男と出てくるところに偶然にもバッタリ会ってしまった時、


『違うの!!』


と、駆け寄ってくる彼女に対して


私『、、触んなよ、!』



とか、



友人と飲みに行き、将来を語り合い、グチを言い合い、なんだかんだで俺達もずいぶん長くつるんでるなとか言いながら、お互いの彼女との近況もまんざらでもない様子、会計を済ませて店を出ると友人が


『少し、、歩こうか』


と、


私『そうだな、酔い覚ましに丁度いい風が吹いてるしな』


〜中略〜


『ちょ、、やめ、、っ!だッ、、、触らないで、、!』



とか。



少なくとも、


『ドンキ行こうぜ』


に対しては決して使わないだろう。


なんだか急に恐ろしくなった。


40歳目前になっていきなり適当な理由でフラれて散々な人生を歩むイメージが、、。


未だ見ぬ未来が走馬灯となって頭に浮かんだ、。


兎に角。


それしきのことで『触らないで!』って言われるのは甚だ遺憾である。


私は表情をなくし体温を下げた。


ムーとは一言も口をきかずにドンキにより(ムーはついてきている)、プロテインを買い、家までムーを送り、1人コンビニに向かい、晩飯を買い、家で喰らい、寝て、起きて、、、


漸く、私の溜飲もやや下がり、少しだけ冷静に話が出来そうだと思い、ムーに


私『昨日のアレは無いんじゃない?』


と告げるとムーは、


ムー『私も昨日の一件で、この人と結婚は無いわ〜って思っちゃった』



、、、、、



ハハッ!


オーケー、オーケー、。


よ〜くわかった。


ならこちらも言わせてもらおう。



私『出てけブサイク』


ムー『ッ、!!!?』



、、、、、、、、


、、、、、、、、、、、



こうして、、6年ほどのムーとの付き合いは幕を閉じた、、。


が、、、


ムー『あのさぁ、ここから出て行くのに資金的に10ケ月はかかるからさ、それまでここに居るし、その間ワタシ気まずいのとかイヤだから新しい彼女とかつくらないでね。』



、、、、かなわねぇ、、。



まぁ、、結果2ケ月で出て行ったけれど、。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る