松江城マッシュルームマップ

月白 貉

まえがき

はじめに

 2015年7月8日、山陰地方で唯一天守が現存する城郭、島根県の松江城が国宝に指定された。築城者は豊臣政権三老中の一人と言われる堀尾吉晴で、姫路城の白鷺城や岡山城の烏城うじょうのように、別名に鳥の名前をとって千鳥城とも呼ばれていて、その由来は千鳥破風の美しさからだとされている。明治期の廃城令によって天守以外の建物はすべて処分されてしまったが、存城処分となったため天守だけは何とか残されて今に至り、ついに国宝となったのである。松江城の天守は国内最古とも言われていて、国宝に指定された天守の中では唯一、江戸期からの雛型が残っているそうである。


 さて、ここでお話するのは、その松江城の歴史的変遷のことでもなければ、松江城の城郭建築のことでもない。では何かと言えば、この松江城というエリア内に範囲を絞り込んで、半定点観測的な菌類の蒐集を始めたぼくの日々の呟きのようなものである。まあつまりは、「きのこ」の話である。あるいはきのこから派生して宙を漂ってしまった取り留めのない思いなどを、勝手気ままな独り言として綴った、いわば日記のようなものである。

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