イタイ女を卒業したい

アサダユウ

第1話 理想と現実

 今蒸し風呂状態の部屋から執筆中です。なぜそのような状態の部屋になってしまったかというと、五、六年ほど前からエアコンが壊れたままでじゃあ扇風機は?と聞かれたらうるさいので出す気になれないからだ。

そのうえ天井でさんさんと輝くペンダントライトの白熱球からの熱が凄まじいので夜も暑い。しかも六畳一間にあふれんばかりの物、もの、モノ・・・。ビジュアル的にも暑苦しく、長時間の作業には不向きである。

かと言って外で仕事がある日は何かを書けば手に髪が張り付き、髪をまとめなければ根元から汗と湿気で湿ってしまう。

なかなか乾かないほどの不快指数の中で顔を合わせるのも嫌な相手とうんざりするほどの単調作業を強いられた日にはその日の帰り家で一杯飲まなきゃやってられない。

 

 しかしながら、部屋の状態は精神状態を表している。とはよく言ったものでそうなってくると私の精神状態は色んなことに気が散っていて、惑わされ、落ち着きがないという事か?

ああ、何でこんなことになってしまったんだろう・・・。こんなはずじゃなかった。もうすでに結婚していて一人ぐらい子供がいて優しい旦那に支えられながら、創作活動に精を出し、譲渡会(里親探しをしている会の事)から引き取った茶トラと雉トラの猫とともに生活しているはずだった。

ここに小説を書かせてもらっている身分なのにこんなことを打ち上げるのは何だが私は元々漫画家志望の人間だから総括活動といえば漫画作品のことで、すでに連載を二、三本すでに持っているなのに制作過程を人に見られたくないという我儘な性格であり、よってアシスタントはつけない。

だからといってスピードが速いわけではないから、ピンチの時は旦那に他そんなことがかなっている予定だった。

しかし現実は違う。独りもんだし、作品は仕事という形になってない。自分としてはささやかな夢というか目標のはずだったが、なかなか現実とはシビアなものである。

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