第2話 あなたの物語はゼロになったところから始まる。

人前に立ってるのに、

あなたと私で会話してるのに

全て出さないで、うわべだけの言葉を紡ぐ。

何を惜しむの?

背後になにか企みがあるの?

それともただ自分を恥じているだけ?


詐欺師たちは全てを出さず、

思わせぶりや嘘であなたを丸め込もうとする。

その裏のある態度のうさんくささは

意外と他人に丸わかり。

わからないのは欲に目がくらんでいる人間だけ。

詐欺師たちは行動や決断、言葉にいさぎよさがないから

普通の人の心の奥までしみこみはしない。

欲望で判断力が落ちてる人が騙される。

騙される方が悪い。たしかにそうかもしれない。


詐欺師たちは欲に引きずり回されている人間にはとても魅力的なのだろう。

彼ら表面的な現世利益のツールを手渡すのは得意だ。

ツールだから、つかえば問題は解決する。すぐに目に見える成果がでる、こともある。


成功して、褒めそやされたい。

好きな人を振り向かせたい。

才能を認めさせて、バカにした奴を見返したい。

さあ、これを使えば欲望は叶えられますよ。

と、詐欺師たちは囁く。

私についてこれば

私の提案する方法に乗れば

私の商品を買えば

あなたの人生は変わりますよと

あなたを誘惑する。


一度、誘惑の罠に落ちたら

なかなか抜け出せない。

詐欺師たちは言葉巧みにあなたを惑わす。

もうちょっとの頑張りが成果を生みますよ、

ほらこんな資格がクライアントを呼びますよ、

新しい商品があなたを素敵に見せてくれるよ、

私たちはあなたの欲望を叶えるんですよ?

と、親切な振りをした営業トーク

欲望に取り憑かれたあなたは

詐欺師たちの思惑にいつまでも引きずり回される。


でもそれを手にして根本的な解決になってる?

ドラちゃんのひみつ道具だって

のびたがズルい使い方をすると

いつも大失敗だ。


悪魔の詐欺師たちの誘惑にのるまえに

あなたが何を得たいのか

よーく考えてみるといいよね。


表現したいもの

伝えたいもの

渡したいもの

己を成長させたいというなら

その場でできること、全部やればいい。

未熟でも、かっこ悪くても

持てるものを全て出し切るのだ。

あなたの物語はゼロになったところから始まる。


あなたは知ったかぶり詐欺師たちの手を借りないといけない人間なの?

人真似は所詮、人真似に過ぎず

限りなく偽物に近くなる。


あなたが欲しかったのは偽物になる方法?

違うでしょう。

自分を肯定して、己の人生の航路へと旅立つ覚悟だったはずだ。



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