第11話

「こちらは冒険者保険の手続きを行っております。加入者から支払われた保険金をもとに、死亡時、および高度障害が残った場合に保険金を支払っています。全ての冒険者に加入義務があります」


 別の窓口で説明を受けていた勇者は、

「失踪の場合は……」


「その場合はお支払いできません」


「そうですか」

係員の言葉に肩を落とす。


「勇者、落ち込んではダメですっ!」


 そういうなり、一気に書類にサインしていく。そして、保健代金を窓口に納める。


「ありがとう、司祭」


「これは貸しですっ! 缶詰爆安市でしっかり節約して、さっさと金返せ、ですっ!」


「ケチっ」

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