私たちが今生きていることと、私たちが今感じているものとは何なのか。現代よりも少しだけ科学技術と倫理観が手を伸ばした世界を通して、そこへと向かいつつある今の私たちの世界へ問いを投げかけている秀作。
思い立った時に小説を書きます。ファンタジー・SFが好きです。
動物解放論、というのがある。著名な倫理学者ピーター・シンガーによれば、あらゆる苦痛は取り去らわれなければならない。そして動物にも苦痛を感じる能力がある。だから、あらゆる動物は苦痛から開放されなけれ…続きを読む
読み物としても思考実験としても非常に興味深いSFでした。技術の発展による倫理観の変化が生々しくて非常に現実感があります。食肉と屠殺というすでに話題となっている倫理問題に始まり、哲学的ゾンビのよう…続きを読む
将来、本当にこんな世界がやってきてしまいそう。やってくる可能性を否定できない。だからこそ、この小説は読む価値がある。効率が正義で非効率は悪、そんな味気のない世界になる前に、社会への警鐘として、広く読…続きを読む
フォルカスは苦痛を感じない。今のフォルカスは感じない。それでもフォルカスは死を迎える。生きていなくても、何度でも。倫理的に。
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