無花果物語 その1

 今日もドラッグストアに向かいます。

 いえ、流石にもうコンドームは入手しましたよ。

 まあ、結局サークルの友人の部屋から発掘して一つ譲ってもらったわけですが。

 本日は、あれです。

 イチジクさんを入手するのが目的です。

 いきなり、ハードすぎると思うのです。そんなノーマルも知らないのに。

 しかし、やはり読む人のニーズにあった作品を提供するのに勉強せねばなりますまい。

 ちょっと特殊な性癖枠ですが、官能小説の中では結構取り上げられているのです。

 それだけ、読みたい人がいるのでしょう。

 ならば、目指すものとしては書かねばならぬでしょう。

 というわけでイチジク浣腸を買いに来ました。

 なんでしょう。エロなものが普通のドラッグストアに売っているって。

 いままでドラッグストアというと、お菓子とかリップクリームとか入浴剤を買う場所だったのに。

 こんなに、アダルトなものがたくさん売っているなんて尻ませんでした。

 ちょっと、下見した感じだと、これをお尻にぶち込んで、我慢させて、許しを請わせる。というのが一連の流れのようでした。そして、我慢しきれなくなった女性はとうとう……。なんていう感じでしょうか。

 えーん。

 これって、苦痛を伴うものですよね。

 痛いは嫌です。

 恥ずかしいだけではなく、お腹が痛くなるようですね。

 私は、もうすっかり常連になったドラッグストアの中で目的地にできるだけ遠回りして向かいます。

 とうとう、棚の前まで来ました。

 あら、浣腸って一種類ではないんですね。なんかいろいろあります。

 大きさとか形とかもイチジクだけじゃないんですね。

 あと、珍しいものだと坐剤タイプなんてあります。

 これはこれで珍しくて他の作品との差別化が図れてよいのではないでしょうか。

 しかし、まだまだ初心者の私は、一番ベーシックなものにいたしましょう。

 とりあえず、買うものだけ決めて、ほかの商品の説明などをじっくりと読みます。

 ふむふむ。

 気づくと近くの棚に薬剤師の人がいました。

 恥ずかしい。

 こっちを見ています。

 やめて、こないで。

 私は便秘じゃないの。

 いや、でも便秘じゃないのにこんなものを見ているなんて余計不審ですね。

 ああ、でももう無理。

 本日は購入にいたりませんでした。

 プルーン味のヨーグルトドリンクはちょっと重たい味がしました。

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