最終話 そしてこれから

「はい、書類落ちー!!」

6月も終わろうかという今日この頃。何度目か数えきれない不採用のお知らせを受け取った俺は誰もいない部屋に向かって叫んだ。

「つーかお前の企業、未経験者歓迎じゃなかったのかよ……」

と自分しか居ない部屋で愚痴るが帰って来る言葉なんて無い。

 障害者限定の就職説明会を終えて、民間の職業紹介事業所を通じて親会社に書類を送ってもらったものの、結局書類落ち。その他、色々な企業も受けてはいるものの結局書類選考すら通らないのも現実だ。

 ここいらでいっそ、KADOKAWAが雇ってくれたら俺の再就職が決まるんだけどなー。と思うがエッセイ・実話・実用作品のランキングを見る限り、20万を貰う事さえ叶わないだろう。

「あー、くっそーここらで一発当てられねーかなー」

と下心満載の本心を呟くが、適当に買ってみた宝くじは1000円しか当たらない。もうこうなったらラノベを書いて一発当てるしか……。と考えるが、それも難しいだろう。


 ふと思い返せば、高校を卒業して一旦ニートになった時点で、社会の線路から外れているのだ。その後、気合で線路に戻ったものの、気合を入れすぎてまたしても脱線したのだから、目も当てられない。

 もういっそレールから2回外れたのだから、このまま突っ切って生活保護で生計を立てるのもありか……。と一瞬考えるが、それをするとゲーム機やPCを行政に取られるので絶対に無しだ。


 正直、職を選んでいるから決まらない、というのもあるだろう。コンビニのバイトとかファミレスの店員とか、探せば自分でも就ける職はあると思う。でもせっかく技術系の高校を出ているのだから、俺としては高校で習った事を生かしたいという思いがあるのだ。

 その為にもまずは、「精神障害者雇用義務化」が平成30年に施行されることを祈ろうじゃ無いか。

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