第七話 成長の過程

 現代の話をしよう。

 普通、子供一人では生きられないために日本だと孤児院がある。いろいろな大人が生まれたばかりであったり、まだ全然小さな子供を育ててくれる。そこには何かしら思惑があるかもしれないし、ただの親切心かもしれないが、少なくとも野垂れ死にさせないだけ子供にはとても優しい世界だということが分かるだろう。


 さて、異世界ならそれがどうなるか。

 ぶっちゃけ知ったこっちゃない、が答えだ。そりゃ、何かしら思惑があれば育てる奴もいるだろうが、帝国では親切心で助けてやろうなんて奴はいない。たいていの奴は奴隷になったりしてどっかに行くのが関の山だ。


 それは俺も例外ではないし、自分でどうにかするしかない。そういう理由もあって、誰かに自分の身元を引き受けてもらう必要があった。だからガルドさんに身元の引き受けを頼んだ。

 もちろん、誰でもよかったわけではない。そもそも素性の知らない子供がいきなり来て、拾ってください、といわれても、何を言ってるんだという話だ。なので、知人、それも直接の関係がある人でなければいけなかった。

 ガルドさんを選んだ理由はもちろん強くなるうえで、一番頼りになる存在だったからというべきだろう。


 魔法の特訓で色々なところを動き回る上で子供の身の小ささを利用して、いろいろな情報を収集した。そこには盗み聞きもはいるが。

 その中でもガルドさんの噂はとても憶測が多かった。一流冒険者の負傷、そして、教育者への抜擢。疑念が多いものなのだから、もちろん調べてみたが、なかなか情報がつかめないのだから、何かあるのは当然だろう。

 それで調べてみれば…というわけだ。


 多少、強引な方法ではあったが、本人の協力の同意を取り付けられたので良しとしよう。こちらも今のままではできることが少ない。自分の【視る】スキルを活かすにはもってこいの師匠だろうし。



 ということで、今現在に話は戻る。


 教室を出て、階段を降り、中庭の廊下を通って学園長室にいるガルド先生のいるところに向かう。いつまでも、さん、では変なので先生と呼ぶことにした。

 どうやら、自分のクラスは早めに話が終わったようで廊下には誰もいなかった。悠々と行けてラッキーである。


 学園長室の前まで来て、ドアをノックし、呼びかける。


 「ガルド先生、いらっしゃいますか」

 「どうぞ、入りたまえ」


 OKが出たので中に入る。

 相変わらず書類事項が多いのか、中に入ると部屋の奥のほうにある机でガルド先生が何やら書いていた。朝の演説でも思ったがさすが、教育者なのかもしれない。

 ガルド先生は書類が書き終わったようで、一度大きく後ろに背もたれを超えて背伸びをして、こちらに向き直る。


 「来たか。君の提案だが、先ほども言ったように飲むことにしよう。君を私の弟子ということで身の安全は保障しよう。少しかかるが、終わったら私の家まで案内しよう」


 ひげを手で触りながら弟子入りの許可をしてくれた。これで衣食住の心配は恐らくない。


 「次に、訓練内容だ。弟子というのもあるし、基礎から教えてやりたいが、この学校にはあるがあってな。入学式からそんなに時間がないからその対策を優先しよう」

 「イベント、ですか?」

 「なんだ、君なら知っていると思ったがそうでもないのか」


 ポカンとしてガルド先生に聞く。ガルド先生の弱みばかり嗅ぎまわっていたから学園の調査は一切進んでいない。決して、汚い心ではないよ?弱み握らないと俺死ぬもん。主に飢えで。

 意外そうな顔をしながらも説明するガルド先生。


 「この学園では学年内で力の競い合いという意味を兼ねて『闘技祭とうぎさい』がある。これは入学したての1年にはないが、2年生以上は全員参加だ。もちろん、飛び級の君も問答無用での参加だな」


 したり顔で話すガルド先生。少しだけ昔のことを思い出しているようである。


 「ガルド先生はこの学園の卒業生なんですか?」

 「そうだ。昔から優等生というわけではなかったがな」


 そういいながら、ガッハッハ、とたくましく笑う。 優等生じゃないということは昔からこんなだった可能性もあるんだが…赤ん坊でガッハッハって笑う姿想像したぞ…。

 それはそれとして、とガルド先生が話をもどす。


 「君は能力値でこそとても高いが、戦闘経験などがまだまだだ。使える武器も剣だけで、攻撃魔法はなにもないんだろう?ひとまずは、私の魔法などを教えたり、他の武器か、剣をマスターせねばな」

 「そんなに私の入った学年はレベルが高いのですか?」


 剣技をマスターしなければいけないほどつよいのか、この学校の人達は。


 「いや?単に君が迷宮で戦って君自身の食い扶ちを確保するためだ」

 「働かざるもの食うべからず、ですか…」


 衣食住の提供はしてくれるようだが、そこまで甘くはないのか。まぁ、そりゃ借りは早く返したいですけどね。8歳にそれを要求するとか鬼畜ですか。


 「?どういう意味かは分からないが、さっさと強くなって私を助けてもらわなきゃな!」


 目的を手伝わせる気も満々のようですね、この鬼畜めっ。



 それからソファーに座って少し待たせてもらった。書類仕事は宣言通り体感5分くらいで終わった。家から荷物は持ってこなくていいのか、と言われたが、問題ないです、と返しておいた。両親が稼いでいたお金やポーションは鞄にいれてある。

 あの家にはまたそのうち戻ることもあるだろうが、そのときは花でも持っていくことにしよう。


 それから学園を出て、ガルド先生とともに彼の家に向かったのだが、家の場所に驚いた。

 そもそも家は帝国の城下町内ではなく、帝国の門をでて外の山奥だった。彼曰く、


 「万が一、戦闘になっても人を巻き込まないし、わざわざ追いかけてくる一般人なんていないだろう?」


 とのことだった。この人、病気にでもなったらそのままぽっくり一人で逝きそうだな。

 そんなことを閑雅ながら、道中ガルド先生に剣技はかじった程度だということや、体力などには自信があることを伝えておいた。訓練の方針は決めておいてもらうに限る。


 山道を歩くこと20分ほど。ようやくガルド先生の家に着いた。

 見た目は弥生時代にでもあったかのような家だった。屋根は藁のようなもので作られ、家の壁は切った木をそのままくっつけて家の形にしたものだった。元一流冒険者が隠居するにはぴったりのイメージというか…。

 家の前には井戸、家のすぐ横には薪のようなものと斧があった。火種はガルドさんが作る魔法でも燃やすものが必要だからだろう。


 と、そんなことを考えてると、誰もいないと思っていた家の戸が勢いよく外側にあいた。

 見た目は年が俺と同じか、俺より下くらいの小さな女の子で黒髪のショートカットに黒のネコミミ?のようなものがついていた。来ているのは昔の日本人が来てそうな…いわゆる貫頭衣というやつであった。顔はとてもきれいで目がたれ目で、なんというか、意識が空中に浮いているようなとした雰囲気であった。



 そういえば、城下町では普通の人以外は見なかったけど異種族も存在していたな。

 確か…定番どころの人族、エルフ、ドワーフ、獣人、魔族はいいとして…。


 鳥の羽を持ちながらも胴体は人の鳥人族。ハーピーとは違うらしい。

 

 一部の魔物と共存することに成功し、魔物との共存を目指す人族の別名、共魔族きょうまぞく。これは人族とは違って、体力よりも魔力のほうにエルフほどではないが重きがあるらしい。


 そして、神様が地上を救うべくこの世に解き放った、といわれている天使族。背中に白い翼が生えているのが特徴らしい。


 現在確認されているのはその8種族らしい。共魔族に関しては能力差しかないため、ほとんど人族とは見分けがつかないが、別種族というなら別種族なのだろう。もしかすると別種族がほかにも存在するかもしれないが、数が少ないのか、それとも姿を現したくないのかはわからない。


 それはともかくとして目の前の少女だ。誰だ?この子。

 黒髪のケモミミ少女はぼんやりとした目でガルドさんを見て、走り寄りながら、


 「パパ、おかえり~」


 と、言ってガルド先生の胸に飛び込んだ。


 「おう、ただいま、フィー」


 少女を受け止めながら、彼女の名前らしきものを呼ぶガルド先生。

 …え?まさか子供ですか?ハゲでひげなあなたの?


 まさかまさか…と思いながら疑いの目で見ていると、ガルド先生はそれに気付いたのか、言葉には出さず『あとでな』と口パクで言ってきた。何かあるのだろうか。


 甘える少女を下ろしながら、僕のことを紹介するガルドさん。


 「フィー、今日からここで一緒に住むことになったウィル君だ、仲良くしてやってくれ」

 「ウィル=エルスタといいます。よろしくお願いします、フィーさん」


 頭を下げて自己紹介する。誰かはわからないが、少なくとも敵ではないのだろう。

 続けてガルドさんが紹介してくれる。


 「こっちは俺と一緒に住んでるフィーだ。家でわからないことがあったら、フィー聞いてくれ」

 「よろしく」


 胸を張って自慢げに鼻を膨らませるフィー。寝ぼけ眼でぼんやりしているため、顔の変化は乏しいが感情の起伏が薄いわけではないらしい。

 自己紹介も済んだところで、ひとまず家の中に入らせてもらう。

 中は簡素なつくりになっていて、ひらけた1部屋だけで、そこにはちゃぶ台のような低い机や台所、壁には装備品がかけられており、奥のほうには布団が2つ強いてあった。布団の並んでいるところの端っこに、1つほど布団が敷けそうな空いている場所があったのでそこに荷物を置かせてもらう。自分の布団もおそらくここに敷くのだろう。


 荷物を置いて外に出ると2人が話していた。


 「フィー、これからちょっと奥のほうで鍛錬してるから、その間に夕食頼むな」

 「わかった~」


 とてとて、と家の中に入っていくフィーを見届ける。入ったのを確認して、ガルドさんはいくつか抱えた装備を持ちながら、


 「また少し歩くぞ、ついてきなさい」

 「はい」


 といった感じで再び歩き出した。

 道中にて、さすがに気になったので、


 「あの子はガルド先生の娘ですか?あとあの耳はもしかして…」


 と聞くと、


 「あの子は獣人の捨て子だ。2年前くらいに拾った。なんで山奥に暮らしてるかって言ったらあの子のためだ」

 「?」


 捨て子なのは驚いたが、なぜ、それが山奥で暮らすことにつながるのかがわからなかった。

 俺がわかっていないのを察したのか、ガルドさんが説明してくれる。


 「帝国は人族以外には好感を示さないんだ。なんせ、今魔族との戦いは順調でそのほとんどの功績が人族だからな。今の帝国の王様は人族以外は嫌いだっていう理由で他種族を受け入れないようにしてるんだ」


 苦々しい顔で話すガルドさん。そんなことが…。


 「しかも、その王様はそれを国民にも徹底していてな。人族以外には人権を与えない方針なんだ。だから下手に帝国で育てるわけにもいかねぇんだ」

 「帝国では暮らしていけないでしょうしね…おそらくガルドさん自身もばれると厄介なことになると…」

 「ああ、あれでも最初のころは何もしゃべろうとしなかったんだ。1年くらいたってようやく心を開いてくれたって感じだ」


 帝国の闇をうっすらだが見たような気がするな。それはともかくとして、


 「これから何をするんですか?」

 「剣技の心得はあるって言ってただろ?けど、他の武器は使ったことがないのはいざというときにも困る。だからいろいろな戦闘スタイルを学んでもらう。そのうえでどの武器が一番やりやすいかも決める」

 「魔法はどうするんですか?」

 「俺に使えるのは火属性だけだ。だから、教えられるのも限られてるし、体力鍛えるほうを優先しよう。魔法は最悪使えなくても何とかなる」


 まぁ、一回使ってくれれば覚えられるんですけどね。指示には従っておこう。


 約10分ほど歩くとひらけた平らなところに出た。大体小学校の運動場くらいの広さがある。

 ガルドさんは入ってきた入口に背負っていた装備品を下ろし、話し始める。


 「まず、最初に能力的な説明をするぞ」


 仁王立ちで腕を組むガルド先生。


 「この世界にはレベルというものが存在する。魔物を倒したり、なんらかの戦闘経験を積むことでレベルは上がる。レベルが上がると能力値はグッと上がるが、それ以外にも能力をあげる方法が3つある」


 そういってガルド先生は指を3本立てる。


 「1つ目は単純に筋トレだ。筋力がつけば重い装備品でも装備して使うことができる。」


 これは俺もやってたな。あれは無駄じゃなかったようだ。


 「2つ目は瞑想。精神力を鍛える訓練だ。魔法を食らったときの度合いはこれで変わる」


 精神はステータス数値でも上がらなかったが、それだったのか。まぁ、敏捷あげてるからよけれればよけるが。


 「そして、3つ目は彫像だ。といっても、これは器用さをあげるためだがな。俺はそこらへんの木を剣で切って像を作ることであげた。器用になっておけば相手の急所を狙いやすくなる」


 そういわれて周りを見たら、お地蔵さんみたいなのから阿修羅像みたいな立派な奴までいろいろあるな。これが能力差なのか。

 能力の鑑定スキルとか頼めばよかったなぁ…。一応確認しとくか。



_______________________


状態:良好

職業:子供

レベル:1


筋力:101

敏捷:106

魔力:202

器用:33

精神:50

運:79


<スキル>

【スキルコピー】【すべてをこなせる才能】【剣術の心得】

【看破】【精霊生成】

<魔法>

【身体強化】

<称号>

『転生者』


_______________________



 ………ん?なんか増えてね???

 なんか見慣れないのが二つ…え? 

 と、とりあえず見てみるか。



_______________________


【看破】:


物の詳細や人、魔物の能力値を視ることができる。相手が【偽装】を使っていた場合、これを無視する。


_______________________



 これは恐らく俺がいつの間にか調査されてたってことなのか?うーん、いつみられたんだろう…まぁ、スキルとしておいしいし、いいや。

 2つ目は…うーん、どこでみたんだ…。心当たりが全くないぞ…。



_______________________


【精霊生成】:


火、水、風、地属性の精霊を自由に作れる。大きさ、容姿なども自由に変更可能。

ただし、1度しか作れず、作ったのち【精霊召喚】のスキルへと変換される。


_______________________



 どこで見たんだ、俺。というか歩いてる最中にそんなのいたらふつう目立つと思うんだが…うーん?

 まぁ、深く考えても仕方ない。訓練が終わったら何か作ってみよう。そういえば、俺全部の属性使えるから複合属性とかできんのかな?


 「では今から試験の時と同様いろいろ武器を使ってもらうぞ。俺はすでに使えるから手本を見せるからな」


 いかん、ぼーっとしてた。手本があるなら視とかないと…。

 

 それから、ガルドさんが剣や大剣、槍、斧、そして素手の戦い方まで見せてくれた。大剣での振り方は完璧なまでであった。ガルドさんは一通りやり終えたのか、


 「どうだ?参考になるか?」


 と聞いてきたので、


 「大丈夫です、たぶん」


 と、返した。一回見ればスキルで手に入るからね。便利ですね。

 こっそりステータスを見る。


_______________________


状態:良好

職業:子供

レベル:1


筋力:101

敏捷:106

魔力:202

器用:33

精神:50

運:79


<スキル>

【スキルコピー】【すべてをこなせる才能】【剣術の心得】

【看破】【精霊生成】【大剣術の極】【槍術の心得】【斧術の心得】

【武闘術の心得】

<魔法>

【身体強化】

<称号>

『転生者』


_______________________


 やはり、極みに達してらっしゃる大剣。まぁ、メインウエポンが壊れることのなかったガルドさんだし、当然のことではあるんだが。

 彼の現役時代に使っていた大剣は竜の牙といわれる素材でできていて、火属性の魔法で強化すれば、圧倒的なまでの破壊力を生むという話を聞いた。それって槌じゃね?とも思ったが、ちゃんと切れるらしい。地面が。


 ガルドさんに、装備を貸してもらい色々と試してみる。剣術は前から試していたので問題なく振れる。ただ、盾がないとガードがつらいかもしれない。

 大剣はまだ筋力が微妙で振られている感じがあるな。極のおかげで、大剣とダンスを踊っているような感じになっているが。

 槍は刺突がメインだから多数を相手にしたときがつらいな。筋力があれば薙ぎ払いもできるんだろうが、それが難しそうだ。

 斧は大剣と以下同様。

 素手は敏捷が高くないので緊急手段だろう。


 やはり筋力のなさを考えると難しいなぁ、これから上がるとはいえ、しっくりくる武器がないというのも問題だが。

 うーん、と悩んでいると装備品の中に面白いものを見つけた。


 「ガルド先生、これは爪ですか?」


 あったのは手を覆うようなグローブから厚みのある鉄が4本ほど生えており、それぞれが先のほうでまがっていて、引っかいたり、さしたりできるようになっている。ロッククライミングとかで岩に手をかけてる時の手の形のようなものだ。

 ガルド先生は懐かしそうにそれを見ながら、


 「爪を選ぶか、リーチもある程度あるし、面白い武器だが、実戦では敵に引っかかって逃げられないなんて言うのがあったな。まぁ、それさえ気を付ければ問題はないんだがな」


 としみじみと言っていた。引っかかったのお前か。


 「どれ、手本を見せてやろう」


 と、戦い方を一通り見せてくれる。基本的には素手と似たようなものだが、殴る代わりに刺す、斬るができるのが面白いな。ステータスを確認してみれば…。

_______________________


状態:良好

職業:子供

レベル:1


筋力:101

敏捷:106

魔力:202

器用:33

精神:50

運:79


<スキル>

【スキルコピー】【すべてをこなせる才能】【剣術の心得】

【看破】【精霊生成】【大剣術の極】【槍術の心得】【斧術の心得】

【武闘術の心得】【武爪術の心得】

<魔法>

【身体強化】

<称号>

『転生者』


_______________________


 うん、追加されてるな。ガルドさんに言って貸してもらう。


 基本は自然体から足を前後にずらし、ボクシングのスタイルで構える。いざとなれば蹴りも使うからな。ただ、足を取られないように注意するのも必要か。

 まっすぐ殴る武闘家と同じようにすれば、刺すことができる。逆に横からビンタの要領で腕を鞭のように振れば、斬れる。この使い分けをうまくするしかないのか。


 爪は両手装備だから、片手を攻撃、片手を防御にするのも可能だな。手数の多さなら二刀流とかやってみたかったが。そういえば、先生はできないのだろうか。


 「ガルド先生、二刀流とかできます?」

 「俺は無理だな。そういう戦い方の奴もいるらしいがな」


 首を横に振られた。まぁ、そのうちそういう人がいるなら試させてもらおう。


 ひとまずは爪の武器にすることをガルド先生に伝える。

 

 「おお、そうか。いろいろな武器が初めてだろうにあっさりこなすから、どれにするのかワクワクしていたが、爪か!つくづく変だな、君は!」

 「面と向かって変とかいうのはやめてくださいよ…」


 基本的には普通だし…ただ、コピーのおかげだし…。

 ガルド先生はうんうんと笑顔でうなずき、



 「じゃあ、!」



 と、おっしゃった。この2人しかいない場所で…。

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