笑いの後に感動あり

主人公である勇者は「慎重すぎる性格」です。そして、その慎重さはもはやギャグです。

ところが敵は多くの人、あるいは神ですらもそこまで考えていない。そんなことは有り得ないという「心の隙」に付け入ることで彼等を絶望に追い込もうとします。そして、そういった状況を想定して行動する勇者は必ずしも「間違っていない」のです。

一見、ギャグに見える彼の存在が、実は最も現状を的確に把握しているのかもしれません。例えば防災や防犯対策に「やり過ぎはない」あるいは「多くの無駄の上に成り立っている」というように、です。

実際の有事(災害や犯罪等)において、日頃は「無駄」として失笑されてきたものが思わぬ形で成果を結ぶ。それによって一点、掌を返して「美談」とされるのを我々は多く見てきました。

あなたは彼に対して「慎重すぎる」と思うでしょうか?それとも「慎重さの裏をかく相手まで想定している」と思うでしょうか?作品を見たらあなたの性格が分かってしまうかも・・・

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