第5話 So Long ! さようなら !    04.01-cor,

5.



=== 山田里子 ===



間宮から妻に私とのことがバレたので、もう今後付き合って

いけないと告げられた。間宮の妻に私達のことを暴露したのは

何を隠そうこの私だ。だがこんな結果を望んでいた訳じゃな

い。




間宮と奥さんが別れることになれば、間宮がすっかり私と一緒

になると踏んでのことだ。だけど、何ていう妻なの。浮気な夫

なんてさっさと三行半突きつけて別れなさいよぉ、全くぅ。



私のほうはとっくに不倫がバレてしまい、離婚を突きつけら

れているというのに。浮気するような奴の子供の面倒なん

かみられるか、子供を連れてさっさと出て行けと云われ

夫の邦夫から無一文で放り出されたのだ。




私は一週間前、迂闊にも動かぬ証拠を掴まれ不倫が夫にバレ、

夫に髪を掴まれ引きずり回され、平手で2度叩かれて壁に

打ち付けられた。その時に腰を打って今も歩くのがつらい。


こんな状況で間宮にまで逃げられたのでは、今まで外で働い

たことのない私は生活に困窮して生きていけない。





間宮修造とのことはちょっとした火遊びのつもりだった。

本気で好きな訳ではないが、夫は子供の養育費さえ出さない

と云ってるので、ここはこれからの私と子供の生活がかか

っているのだから女優になって大芝居を打つしかない。





私は何度も間宮にメールを送った。



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 愛してるの、あなたのいない毎日は耐えられない。

 耐えられなくて夫に別れてと云った。それで私のほうは

 別れることになったのよ。夫には任せられないから子供も

 私が引き取ることにした。もう今の私に頼れるのはあなた

 しかいないの。お願いだから連絡ください。そして会って

 ください、お願いだから。  里子


            -------------------------------




同じような文面を私は実家から送り続けた。

実家はすでに弟の代になっており、そう長くはいられない。

お尻に火がついた状況の私は必死だった。





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