第29話 大暴動 2

 ※電力系の就職事情が間違っているとのご指摘を頂きました。

 なにぶん私は当時十二指腸潰瘍で死にかけていたため記憶がぶつ切れでございます。

 最終的に大学に進学したためかなりの部分で記憶が抜けております。

 この辺りからかなり間違いがあるかと思います。

 間違いがあっても笑って許してね。




 がしり。

 襟をつかまれました。


「ななななな……」


 私は焦りました。


「おどれえええええええッ!」


 ※純関東人です。


 K平が雄叫びを上げてました。

 ぺしん。

 目の所を殴られました。

 さすがに痛いです。

 これは青痰確定です。

 私はよろけました。


 がんッ!


 私は机にぶつかりました。


「てめえええええええええ! ゴルアアアアアアアアアァッ!!!」


 鈴木くん(笑)です。

 私が机をみると牛乳パックが倒れてこぼれてました。

 その先にはマフラーが牛乳浸しになってます。

 あーらら。


「てめえええええええええ!」


 完全にキレてます。

 悪いの私ですか?


「殺すぞコラアアアアアアッ!」


 鈴木くん(笑)がバットを取り出しました。

 おおっと、人生ゲームオーバーの予感。


 マフラー汚してバットで撲殺される優しい世界(笑)


 ……藤原はコイツらが大嫌いです。


「おどりゃあああああああああ!!!」


 鈴木くん(笑)がバットを振り下ろしました。

 手加減一切なしです。


「ぎゃあああああああ!」


 私はゴロゴロと転がって逃げます。

 このドバカ、マジでマフラーが原因で人を殺す気だ!

 このアホは本気だ!

 本気で殺そうとしている。

 ですが私はこのとき気づきました。


 あれ……?

 動き遅くね?


 鈴木くん(笑)の動きはバイオハザードのゾンビよりも遅かったのです。

 それはよく考えたら当たり前でした。

 ヘボヘボとは言え私は剣道をやってたのです。

 そりゃ、剣道に比べたら遅いよね。

 合気道に出会う前なので一歩前に入ってバットを取る勇気はありませんが、バックステップで避ける程度ならできたのです。

 私がここで武器を持ってるアホどもを一発で肉塊に変えてやれば勇者になれたかもしれません。

 でも私もまたクズなのです。

 もー、全力で逃げるために使いました。

 私は立ち上がりました。

 もちろん逃げるためです。


「オラァッ!」


 鈴木くん(笑)はバットを振り回してきます。

 私はバックステップで逃げます。

 ふははははは!

 当らぬわ!

 そして逃げ切って究極召喚魔法『110』で魔王『国家権力』を呼び出してくれる!


「テメエッ逃げてんじゃねえぞ!」


 私の尻が蹴られました。

 ぎゃあああああああああッ!

 誰だ! 死ぬだろが!!!

 私が振り向くとそこにいたのはK平でした。

 おまッ! 死ぬだろが!


「てめええッ! まだ終わってねえぞ!」


 お前らの全員の人生終わりにしてください。

 なるべく惨たらしく死んでください。

 逃げるのに必死だった私はK平の髪の毛をつかみました。

 死ね! 死んでしまえ!

 私はK平をもう一度放り投げました。


 かっきーん!


 我を忘れた鈴木くん(笑)がK平をホームラン。

 頭をヒットされたK平くんが倒れました。

 ピクリとも動きません。

 えーっと……結構血が出てます。

 血まみれです。

 さすがにまずいことをしたと思ってるのか鈴木くん(笑)はガクガク震えています。

 いつもなら指さしてゲラゲラ笑うところですが、今回は逃げるのが優先です。 さっさと逃げましょう。

 私は逃げ出しました。

 ひゃっほい!



 なんとか逃げ切った私はSさんたちと合流しました。


「置いてくなんて酷いじゃないですか!!!」


 私は抗議しました。

 この外道どもめ!


「お前一人の犠牲によって俺たちは逃げられたんだ。ありがとう」


「なにいい話風にまとめてんですか! ねえコラ!」


 堂々とした外道がいます!


「まあ気にするな。ところでこれからどうするよ?」


「もちろん国家権力を呼び出します。携帯貸してください」


「やだ」


 な、なんだってー!


「俺たちだって就職を控えた身だ。通報なんぞさせるか!」


 く、究極召喚魔法『110』が使えません。


「じゃあどうするんですか?」


「担任を呼んだ」


「役立たずじゃないですか……」


「……まあな。帰ろう」


「帰るんかい!」


 まだ昼です。

 なぜ真面目な我々が帰らなければならないのでしょうか?

 実に理不尽です。

 実に理不尽です……

 これだからアホどものやり得になるのです。

 そうだ。

 私は思いつきました。


「携帯よこせええええええええええッ!」


 私はSさんに襲いかかりました。


「うわうっざ! 来んな!」


 Sさんは容赦なく蹴ります。

 げしり。

 酷いです。

 ですが私の召喚魔法は必要なくなるのです。


「まだ暴れてるのか?」


 担任がやって来ました。

 役立たずがやって来ましたよ!!!


「はいはい。先生警察呼びますよ」


 私は仕切ります。


「必要ない」


 血迷った担任が教室に入りました。


「おどりゃあああああああ! 死ねえええええッ!」


 鈴木くん(笑)がいきなりバットを振りかざしました。

 担任だと言うことさえわからないくらいに激高してます。

 これには理由があります。

 オークさんは肝っ玉が小さいです。

 信じられないくらいに狭量でもあります。

 そんな彼らが一線を越えてしまったのです。

 確かに今までも考えなしにバットで殴ってきました。

 でも大抵は笑って済まされる程度の怪我ですまされていたのです。

 でも今回はシャレになりません。

 たぶん大怪我です。

 それを考えてパニックを起こしたのです。

 だって「怪我させちゃったけどどうする?」って脳で処理できないほどの難問ですもん。

 後悔するならやるな。

 確かに当たり前なんですが、それが理解できるのはオークではないのです。

 鈴木くん(笑)がバットを振り回しました。

 そのときでした、担任が頭を深く下げました。

 バットが担任の頭の上を通り過ぎます。


「ほえ?」


 私が間抜け面を晒していると担任が思いっきり体勢の崩れた鈴木くん(笑)の横っ面にカウンター気味のフックをかましました。

 スッパーン!

 ウィービングからのフックです。

 鈴木くん(笑)の首が変な方向に曲がり、そのまま顔面から床に崩れ落ちました。

 ちょっとアンタ! ボクシング経験者じゃないですか!


「せ、先生! なぜもっと早く暴力でクラスを制圧しなかったんですか!」


 なんなのこの理不尽!


「こういう時でもないと殴ったら逮捕されるだろが!」


 クズです!

 力があるのに我らに全ての災難を押しつけたクズがいます!!!


「おまえら!」


 担任が大声を出しました。

 おまえら?


「だめだろー」


 がっくり。

 やる気がありません。

 どこまでもやる気がありません。

 でもオークさんたちは途端に大人しくなりました。

 強ければ従う。

 原始人並みの脳みそです。


 だからこういうことを繰り返してるからアホどもが増長するんです!

 サクッとクビにしてしまえばいいのです。

 一人を更生させるのに何人の社会不適合者を出すというのですか!

 明らかにコストが割に合わないでしょが!

 アホじゃないの。

 こうしてなんだかかよくわからないまま事件は隠蔽されました。



 ※教師のみなさんへお願い。


 オークさんは遠慮なくボコボコにしちゃってください。

 みんなのためです。

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