「超ズボラ勉強法」の極意・補足その1の解説




 さて、前回問題集についていくつかの話題が出ましたので、今回はそれについて解説していきたいと思います。


 まず、最初に選ぶ問題集の難易度について。

 以前もお話した通り、最初はなるべく難易度の低い「これならできる、できそうだ」という問題集を選んでください。

 特に自学自習で進める場合、例題や解答を読んでも理解できないような問題集を選んでもまったくの無意味ですので、はじめはとにかく背伸びせずにやさしいものを選択しましょう。


 もう1つ、扱う問題集の種類や数について。これは少し詳しく説明していきます。

 前回の話にもあった通り、基本的には「まず1冊を完璧に仕上げる」ことが何より重要です。ですので、最初はやさしめの問題集を「超ズボラ勉強法」にしたがって完璧に仕上げることを目標にしてください。

 ですが、「超ズボラ勉強法」では必ずしもその1冊だけしか勉強してはいけないわけではありません。最初の1冊目を完璧に仕上げることができたのならば、その次は1ランク上の難易度の問題集に取り組んでもらっても一向に構いません。

 ただし、最初の問題集もろくに理解できていない(目安としては、復習時の正解率95%以上)のに他のものに手を出すのは厳禁です。まずは最初の問題集をマスターしてください。


 もっとも、文字通り「1冊」を完璧に仕上げようとすると、その1冊を本の最後まで仕上げないと他のものをやってはいけないと誤解されかねませんね。

 実際に取り組むにあたっては、単元や試験範囲を目安に仕上げていきましょう。その上で余裕があるのであれば、1ランク上の問題集の同じ単元や範囲に取り組んでみるのです。


 なお、完璧に仕上げるまでは他のものに手を出してはいけないと言いましたが、1つだけ例外があります。察しがいい人は気づいているかもしれませんね。そうです、最初に問題集を選ぶ時です。

 最初だけはその問題集が自分に解けるレベルのものなのかどうかがわかりませんので、もしやってみて全然わからないようであれば、他のものを1冊だけ試してみてもらっても構いません。もしその問題集もわからないのであれば、その場合は間違いなく前の学年の内容から理解できていませんので、迷わず1学年前の問題集を選んでください。高1であれば当然中3へ、中1であれば小6へと戻ります。



 少し混乱してきた人もいるかもしれないので、ここで学力別にやるべき内容を整理してみましょう。


 まずは「勉強が苦手な人」。目安としては偏差値50以下、学校での試験の点数が平均点以下の人から。


 あなたはまず、とにかく自力で解けそうな簡単そうな問題集を1冊選んでください。その後、「超ズボラ勉強法」にしたがい1回目の学習を行います。そこで例題や解答の意味がわかるのであれば、そのまま学習を続けてください。

 もし問題集をやってみて、例題や解答を読んでも意味がわからない時は、もう1冊別の問題集をやってみてください。それが理解できるならそのまま学習を進め、理解できないのであれば、1学年前の問題集へと戻ってください。

 なお、最初に選んだ問題集がわからなかった時点で即座に1学年前の問題集へと戻ってもらっても構いません。


 最初の問題集が決まったら、あとは「超ズボラ勉強法」にしたがいひたすらその問題集をマスターすることをめざしましょう。他の問題集には一切手を出さなくて構いません。いえ、手を出さないでください。

 とにかく最初の問題集をマスターし、もし余裕があるのであれば学校の宿題も「超ズボラ勉強法」にしたがって進めてください。


 そのように学習を進め、常に偏差値50以上、平均点を超える状態になった場合は、「勉強がそこそこできる人」のやり方へと進んでも構いません。

 逆に、その状態にならない限りは絶対に余計なものには手を出さないでください。あなたがまずやるべきものは、最初の問題集と学校の課題だけです。




 次に、「勉強がそこそこできる人」。目安としては偏差値50から65程度、中学生であれば平均は超えているが公立トップ高をめざすほどのレベルではない人向けの内容です。高校生であれば地方国公立大やMARCH、関関同立あたりをめざすレベルまでといったところでしょうか。


 このレベルの皆さんも、まずはなるべく簡単そう、やりやすそうな問題集を選んでください。それを「超ズボラ勉強法」にしたがって進めていきます。

 ただし、皆さんは勉強がそこそこできるはずですので、最初の問題集はとにかくガンガン進めてください。もちろん「超ズボラ勉強法」にしたがってです。決して回数を端折ったり、5%以上も間違っているのに先に進んだりなどということはしないでください。

 そうやって進めていくと、最初の問題集はあっという間に進んでいくはずです。そうです、皆さんの学力であれば、ここまでていねいに問題を解いていっても最初の問題集はそれほど時間がかからず終わってしまうのです。


 そのようにして最初の問題集が区切りのいいところまで進んだら、次にそれよりも少し難易度が高そうな問題集をやってみましょう。ただし、次の問題集を選ぶ場合は解答がていねいであるものを選んでください。解答の意味を自分が理解できるかどうかで判断しましょう。

 あとは、選んだ問題集を今まで同様に「超ズボラ勉強法」にしたがって解いていきましょう。すでに最初の問題集を終わらせているので、スムーズに進めることができるはずです。その問題集をマスターする頃には、あなたの成績も劇的に向上しています。


 なお、その上の「勉強ができる人」向けの内容につきましては、「超ズボラ勉強法」の域を超える内容になりますのでここでは省かせていただきます。いわゆる難関校志望者向けの内容ですね。ちなみに、ストーリーパートで夏子が行っていたのはさらにその上、東大・京大・国立医学部等最難関大学をめざす人向けの勉強法です。

 もし本書が好評だった場合には、上のような「できる人」向けの勉強法も紹介するかもしれません。ですので、ぜひ皆さんも「勉強がそこそこできる人」レベルをクリアして、続編希望の要望を出していただければと思います。



 次回は過去の学習分の復習についてお話します。どうぞお楽しみに。


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