信用度メーター

ピッピッピ・・・。ここは警察署のある取調室。機械の声がこう告げる。


この発言の信用度は20%、嘘が大きく含まれています。信頼するに値しません。


「・・・だ、そうですよ、ちゃんと正直に話してください。」

「ま、待て、誤解だ!確かに少しの誇張はあったかもしれんが、信用度20%だなんて・・・。」

「ということは、多かれ少なかれ嘘はついたんですね。」

「ええ・・・まあ、多少は。しかし・・・。」

「そこらへん、ちゃんと正直に話してもらいましょうか。」


ここ一世紀で革命と呼ばれた発明は幾多とあれど、この信用度メーターを超える革命を起こした発明は他にはない。そう言われるほど信用度メーターの発明は革新的で、従来の常識をことごとく覆した。


「こいつのおかげで検挙率は急上昇だ。信用度様様だな。」

「でもちょっと怖いですよね。」

「何がだ?」

「機械一つで自分の発言の信用性が測られるなどという世の中がですよ。」

「そんなもんAIが発達しすぎたら人間に歯向かうとか、よく言われてることじゃないか。」

「そりゃそうなんですけどね・・・。」


この信用度メーターは発言の信用度を計測する繊細な機械であり、磁場の強力な場所では使用不可である、気温が極端に高温であったり低温である場合使用できないなどの制限があり、信用度メーターを複数台近づけて使用することも禁止事項の一つであった。


あるとき警察官が誤って信用度メーター2機を同じ部屋に入れ使用してしまった。


「あ~起動テスト。起動テスト。」

ピッピッピ・・・。信用度メーターの1台が起動しこう告げた。


この発言の信用度は50パーセント。発言の信用度は高くも低くもありません。


するともう一台の信頼度メーターが起動し、こう告げた。


この発言の信用度は0パーセント。発言の信用度は皆無です。

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