当たり

「じゃあ次はロト6お願い。」

「承知しました。」


俺はどこにでも居るようなサラリーマンである。しかし、違うのは当たりの神様が憑いていることだ。


「お願いしたことであれば、どんな物でも本当に当たりになるだなんて・・・。」

「私は当たりの神様ですから。」


ある日、帰宅途中に当たりと書かれた紙が落ちていた。それを拾うと急にこの神様が現れ、俺の願いを叶えてくれることとなった。


「でもいちいち頼むのも面倒だからこうしよう。これから全ての物に対して大当たりが出るようにしてくれ。」

「かしこまりました。」


次の日から俺の人生は一転した。会社では仕事が大当たり。帰りに寄ったパチンコで大当たり。株の取引で大当たり。まるで夢のようであった。


「最高だ、この生活。」

「喜んでもらえて何よりです。」


その後、会社の飲み会があり、もちろん俺も出席した。今の俺に怖いものはない。


次の日。


「すごく出来る奴だったのに・・・。どうしてこんな急に・・・。」

「まさか飲み会の牡蠣に当たって死んでしまうなんてな・・・。当たるどころか、大当たりだ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る