まだめをとじている

くもがない


はれたひに


そらのしたにいる




(ずっとずっと)


(もっとずっと)


(うえへうえへと)


(すいこまれていく)




まだめをとじている


すこしこわい


もしかしたら


すごい速さで移動している






 ちいさなほしから


 こちらを見ているなら


 虚空を鮮やかに青く


 人の光を纏い


 ゴオゴオと回転している




 重力の安心を捨て


 巨大な遠心力によって


 放たれるならば


 きっと


 レールガンの砲弾




 加速度を


   ―増して―


  ――増して――


 ―――増して―――




 光 近くなり


  微細な流星となって




 スペースクラゲを貫いて


 星雲の


  渦巻きへ


  飛びこみ




 コクウクジラすれすれに


 暗黒惑星の


  雄と雌とに


  出会い




 ハッコウイルカの群れと共に


 軽々と


  星座から


  星座へと




 いつしか時を遡り


 遥か古代に滅びた


  星の


  おとぎはなしを聞いている






……


めをあければ


はれたひの


よぞらの


ほしのしたに


ひとりいて




めのなかには


まだ


こくうが


のこっていて




みあげたなら


ふりそそぐ


さみしいほどにまっすぐな


ほしのあめに


すいこまれていく


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