四つ目 友が童貞を卒業しました。

 私には友があります。

 よく、そいつと「リア充4ね」と叫んだものです。

 しかし、半年前程にそいつから、そいつが女と付き合い初めたと言う事を聞きました。

 それから、あいつは口を開けばノロケるか、アニメやPCを語るかして、私の怒りを大いにき立てつずけました。

「好き?って聞いたら、好き、って帰ってくるんだぜ。」

「昨日も夜中ずっと電話つないでて、そうしたら嫁の寝息が聞こえてきて、ウフフフ」

 などと言う。(畜生、リア充4ね)

 そうしたある日、あいつが衝撃の事実を暴露したのです。

 その会話の全貌を個人情報を取り除いた状態でお教えしましょう。

 そいつと歩いていると彼は急に歌い始めたのです。

「どうーてい、どうていー」

「おいおい、お前童貞どうていをディスったら、学校中の奴等やつらからアンチされるぞ」

「あ、童貞さんお疲れ様です」

「いやいや、て言うか、お前は童貞じゃないのかよ」

「うん、俺はもうとっくのとうに卒業してるけど」

「は?まさか、お前例の彼女とやったのか」

「うん、飲んでって言ったら、飲んでくれて、にがいって言ってたけど……あっ、写真あるけど見る?これ学校にばれたらアカンやつやろ……」

 ……彼は、昔「リア充死ね」と言って笑い合った彼はもうここにはいない。

  彼は、二次元だけを愛し続けた彼はもうここにはいない。

  彼は、U11歳を愛し、年増を嫌った彼はもうここにはいない。

 彼はリア充と言う世界に消えて行った。私にただ一つ「絶望」と言う言葉だけを残して。


 今も、そいつとは良く話す、そしてあいつはまだあのセンスのない歌を歌い、私を苦しめ続けている。

 リア充よ、4ね。


 今日も、つまらない愚痴を聞いてくれて、ありがとう。

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