脱獄犯

天城 渚

プロローグ すべての始まり

突然呼び出された僕は彼女の指定した場所へと歩いていた。

何でも緊急なことがあるので直接会って話がしたいということだった。

待ち合わせ場所はいつもの喫茶店だ。夜の8時、店についた。彼女はすでにそこにいた。

僕は彼女のほうにいき、席に座るととりあえずコーヒーを頼んだ。

ふと目の前の彼女の顔に目をやった。その顔はひどく怯えているようだった。

僕が喋りかけようとした時、彼女のほうから話しかけてきた。

「私すごい悩んでるんだ。」と言った。

僕は「何を悩んでるんだい?」と聞いた。

すると彼女は、

「実は、家に帰ったらポストにこんなのがあったんだ。」

と言い彼女の手には1つの小包があった。

「中身見た?」と、僕が聞くと

「いや、まだだけど。」と言った。

僕が「開けてあげようか?」と聞くと

彼女はうん、とうなずいた。

中身を見ると中から何かのスイッチが入っていて、ボタンの真ん中には「push」と書いてあった。

明らかに怪しいスイッチなのに彼女が

「押してみようよ!なにか起きるかもよ!面白そうだよ!!」と言う。

さっきまでの顔とはまるで別人のようにとても生き生きしている。

少し不安もあったが、彼女に言われたので仕方なく押してみることにした。

ゆっくり押してみる、そして「カチッ」という音がした。すると、オルゴールの音が流れた。僕は一気に緊張がとけた感じがして一安心した。

曲は「カノン」かな。前をみると彼女も安心した感じで笑っている。

その後は、いろんな話しをしてから家に帰った。

家に帰ってからすぐに風呂に入り、寝る前にテレビをつけた。

すると緊急ニュースがやっていた。

それはコンビニ爆発したという事件だった。

「誰がこんなアホみたいな事するんだよ。」

と言いながらビールを飲む。

そんな事を思いながらテレビを見ていると、信じられないことが報道されていた。あまりのことで力が抜けて手からビールの缶が滑り落ちた。

そこには容疑者として写し出されている自分の顔があったのだ。

今、何が起こっているのかわからなかった。

すると玄関のほうから音がした。玄関のほうを見ると警察官の制服や、スーツを着た男の人達が声を放ちながら僕を取り押さえてあっという間に逮捕された。

外に出ると、野次馬の人たちが僕に白い目を向けていた。

なんとその野次馬の中に彼女がいた。

彼女は笑ながら何処かへ行ってしまった。

僕はそのままパトカーに乗せられ、そのまま問答無用で、牢屋入れられた。

翌日、取り調べや裁判などで「無罪」を主張したが、証拠が次から次から出てきて言い逃れができない状態になっていた。

判決はもちろん「有罪」の判決がいいわたされた。

罪名が「コンビニ爆破及び殺人事件」であり、

「無期懲役」であった....

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