第10話

~その日の夜 主人公の部屋~


ミサ「今日はお疲れさまだったね」


「おー、なんか疲れたな」


ミサ「学校生活と僕の仕事の手伝い」


ミサ「二足のわらじを履くというのは大変なことだ」


「・・・」


「なんかお前・・」


「知ってることと知らないことのバランスが悪いよな」


ミサ「そうかな」


ミサ「僕は新米だしほとんど習ったことしか知らないのだ」


「いや、俺が言ってるのはそういう問題じゃなくて・・」


ミサ「ただこっちの世界に居ると」


ミサ「知らないことが多くて驚いてるよ」


「ふーん・・」


「ま、そうだろうな」


「で、この仕事はじめてから人に対してはどう思った?」


ミサ「お、聞くね」


ミサ「さては僕のことに興味があるのかい?」


「そらそうだろ」


「お前みたいなわけわからん奴はじめてだからな」


ミサ「そらそうでしょ」


「それで質問の答えは?」


ミサ「あー、人に対してどう思ったかってやつ?」


ミサ「んー・・」


ミサ「人は・・」


「・・・」


ミサ「義務と欲求によってのみ行動するものだ」


「・・というと?」


ミサ「『しなければいけない』と『したい』でのみ行動するものだと思った」


「昨日も今日もお前はそういう目でみてたのか」


ミサ「それだけじゃなく君に会う前からのこともあるけどね」


ミサ「そしてそういう『人』が嫌いではないのだよ」


「ま、お前の言うこと・・わからんでもない・・かな」


ミサ「これは真実ではなく真理だと思うよ」


「お、もうこんな時間か」


「寝るぞ」


ミサ「おー、寝るぞー」

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