ノアの憂鬱〜因果の花と君〜

旋利

第1話 プロローグ

「おじいちゃん、おじいちゃんでしょ⁉︎」


待って。

なんだこの展開。




…気がついたら知らない女の子が俺に馬乗りになっていた。


「ねえ、おじいちゃん!私っ…」


おじいちゃん。

待ってくれジーザス。

俺まだ結婚すらしてないコーコーセーなんですが。


胸ぐらを揺さぶる手をとりあえず俺は、やんわりと抑えて言った。


「とりあえず。落ち着こうか君」


そしてこんな場面展開が珍しくもないだろう友人は、俺に対して一言。


「ノア。お前、お父さん通り越しておじいちゃんか。隠し孫ってちょっと新しいな」


「感心する以前に、助けろよ」


昔から憑き物には好かれるけど、女の子は初めてだ。が。

一言目から「おじいちゃん」ってのは、もう嫌な予感しかしない。


「とりあえず、降りてもらえませんか」


冷静に抵抗を諦めつつそう言ったら、はっと我に返った彼女が赤くなって、ついでにどいてくれながら言った。


「ごめんなさい」


まあ、こここからロマンスが始まるわけもなくて、俺が言えたことは一言、


「君誰?」だったんだけど。


だっておかしいじゃない。彼女、空から降ってきたんだもんよ。
















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