二人で夢を(お題・夢)

 光るミニドレス。虹色の長い髪。澄んだ歌声。ステージいっぱいに踊るパフォーマンスに

「私も大きくなったらアイドルになる!」

 と憧れた子供時代。

 その夢見た相手がAIのVAバーチャルアイドルと知ったとき、私の夢は……。

「新規チャンネル登録者は無しかぁ……」

 項垂れる私に

「『開拓惑星の風土病と人類の戦いの歴史』というのは流石にVAチャンネルとしては固すぎたのでは?」

 私のパートナー、VAミナミが困った顔をする。

「う……でも、普通のパフォーマンスでは視聴数稼げないし」

 学べるVAとしてコアなファンは掴んでいるものの、その先がどうしてもいけない。

『このままなら……』

 暗にマネージャーを降りるよう上から示唆されていた。

「私は『貴女と』夢を叶えたいのです!」

 最近、ますます感情プログラムが豊かになったミナミが主張する。

「私に『夢見る心』を芽生えさせたのは貴女ですよ。責任取って下さいね」

 画面の向こうで、彼女が憧れた笑顔を浮かべた。


「『宇宙大航海時代の航路開拓の歴史』ってのは?」

「だから固いですって……」

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