第2話アネモネの日々 二話【未知との遭遇】

 黒髪の少女はにっこり微笑み私に話しかけてきた。


「初めまして、私はレイ。あなたの生みの親よっ!」


「生みの親?」


「そう、私があなたを造ったの。身の回りの世話をしてもらう為にね。大丈夫、一通りの家事技能は登録しておいたからすんなりやれるはすよ。」




 何故だろう。この人の言葉は心地よく感じる。


「分かりました。これからご主人様にお仕え致します。」


「よろしくね。」と会話していると、ご主人様の後ろから、白いまるまるとした物体が現れた。




 黄色い瞳で私を見つめている。


「ムーンが気になるの?」


「ムーンですか?」


「その猫の名前?」


「猫?」


「あ~そこからだったか。当然だよな~そういった知識は組み込んでないから。」


 しばらく私とムーンと呼ばれた白い物体が見つめった後、彼女が、

「そんなに気になるなら触ってみなよ」とムーンの体を持って私のところまで持ってくる。


「うんしょっと。相変わらず重いわねあんた、少しはダイエットしたら?」

とムーンは言われていたが、すまし顔をしていた。




 「ほらっ!触ってみたら、こいつ猫の分際で生意気だけど触り心地だけ一人前なのよ」と私に差し出してきた。


目の前にいる白い物体に私はおそるおそる触れる。


「柔らかい、ふわふわしてる」


「でしょ?顎の下を撫でてあげると喜ぶよ」

と言われたので試しに顎の下を撫でてみるとごろごろと白い物体が声の様なものを発していた。


 「あっ!気持ちいいんだよ。猫は気持ちいいとごろごろ鳴くのよ」


「・・・気持ちいいんですか?」


「そう、アネモネに撫でられるて気持ちいいって事。」


「アネモネ?」


「あなたの名前、私が付けたの。可愛いでしょ?今日からあなたはアネモネよ。」



 これが私が初めて名前を貰った日。私の名前はアネモネ。ご主人様に仕える自動人形。

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