CONFIDENTIAL TALK

「・・・解りました。では我々の敵は会長の持つその本を手に入れたがっている。そういうことなんですね?」


「恐らくそうに違いない。だがこの『化学の結婚』自体は、現在でも一般書籍として流通しており、世界中の誰でも手に入れることが可能だ。」

会長がなんとも残念なお知らせを教えてくれた。


「そうなんだ?なーんだつまんないの。」

ROXYがあからさまに文句を言う。


しかもタメ口、子供かまったくぅ!


「だが、この初版本に限っては特殊インクで描かれた挿絵、符牒に隠された暗号文など、書そのものに様々な仕掛けが施されているのだよ。」


「いよいよ面白くなってきましたね!それで、あたし達に何をしろと仰るんですか?」

きっとあたしは眼を爛々と輝かせていたに違いない。

会長は思惑通りとばかりにニヤリと微笑を浮かべて話を続けた。


「君達には敵に奪われるよりも先に、残りの二冊の初版本を手に入れ、この秘密と謎に包まれた薔薇十字団と創始者であるクリスチャン・ローゼンクロイツの全貌を解明して貰いたい。」





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