すっきりとした物語の中に、鮮やかに浮かび上がる人の思い 

四章立てですが、すっきりと読める中編です
クリスマスの日に出会った男女の話ですが、淡々とした語り口で二人の出会いと仕方のない別れが描かれていきます。そして流れる15年という歳月。
構成もよくて、あっというまに読み終わるのですが、なにか暖かいものが心に澱のように残ります。これぞまさに短編の醍醐味といえるでしょう。
乾いた心にゆっくりと染み込む物語です。ぜひ。