回顧ノスタルジー


目覚めが悪くて 夢の続きを手繰り寄せながら

忘れ物はなんですかって?

忘れ物がなんだったのかも忘れて

君の顔も忘れて 笑い方も忘れて

思春期に感じた温度なら冷えきって

誰かと誰かの繋がりを見限って

忘却が焼却の彼方へ




なんてつまらない世界

努力じゃ変わらない

手を伸ばしても届かない現実(イマ)を知るけど


色が剥がれ落ちていく感覚で

隣にいない君が 想えば儚くて

僕には 重くて叶わない

だから 最初から願わない



零れ落ちる記憶の銀砂 もう輪郭すらぼやけて?

無音で落下していく あの日あの時から

始めなければ 終わらない

関わらなければ 傷つかない?

もう遅いよ、とっくに君なら傷つけた


なんてつまらない世界

希望の言葉を希釈して

錆びついた歯車の逆回転ならもう無理で


回顧ノスタルジー

君はどんな顔で笑ってた?



色が剥がれ落ちていく感覚で

隣にいない君が 想えば儚くて

僕には 重くて叶わない

だから 最初から願わない


だから最初から想わない






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初出:小説家になろう内「エッセイ村へようこそ」

※現在は企画・掲載は終了しています。

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